冬タイヤの基礎知識

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スタッドレスタイヤの限界を示す2つのサイン|スリップサインとプラットホームの違いや見方

タイヤを安全に使用するうえで、スリップサインがタイヤの寿命を測る指標となります。また、冬用のスタッドレスタイヤの場合、スリップサインだけでなくプラットホームの確認も欠かせません。

本記事では、スタッドレスタイヤのスリップサインとプラットホームの違いや見方を詳しく説明します。性能低下を示すそのほかのサイン、タイヤの寿命を伸ばすポイントについても解説するので、最後までご参照ください。

スタッドレスタイヤのスリップサインとプラットホームの違い・見方

スタッドレスタイヤにある「スリップサイン」と「プラットホーム」は、いずれもミゾの深さが使用限界になるとタイヤ表面に出現するマークです。使用年数に関わらず、これらのマークが表示されれば交換時期となります。

スタッドレスタイヤのミゾは、雪をしっかりとつかむ働きや、路面の水分を逃がして路面と密着する役割、凍結した路面を引っかく機能を持っています。このため、ミゾがなくなるとタイヤが滑るなどの原因となり危険です。

以下では、スリップサインとプラットホームの特徴・見方について、それぞれ詳しく説明します。

スリップサインはタイヤとしての限界を示す

スリップサインとは、タイヤの種類に関わらず、タイヤとしての使用限界を示すサインです。タイヤが擦り減り、ミゾが残り1.6mmになるとタイヤ表面に出現します。

多少ずれる場合もありますが、スリップサインは、タイヤの側面にある三角マークの延長線上で確認が可能です。

スリップサインはタイヤとしての限界を示す

スリップサインが1ヶ所でも出ると、整備不良として使用禁止となることが法律で定められています。そのため、スリップサインが現れたら、必ずタイヤを交換してください。

プラットホームは冬用タイヤとしての限界を示す

プラットホームとは、スタッドレスタイヤのみに存在する突起で、スタッドレスタイヤとしての使用限界を示すサインです。プラットホームの露出は、スタッドレスタイヤ特有の性能が低下したサインなので、表面に出てきたら交換しましょう。

プラットホームは、新品タイヤからミゾが50%摩耗するとタイヤ表面に出現し、側面の矢印の延長線上(4ヶ所)で確認できます。

プラットホームは冬用タイヤとしての限界を示す

ブリヂストンのスタッドレスタイヤ「BLIZZAK」の場合、100円硬貨でもミゾの深さを確認できます。タイヤの溝に垂直に差し込んだとき、額面の「1」が見えたら交換時期と考えてよいでしょう(※タイヤサイズによって、溝の深さは多少異なります)。

プラットホームは冬用タイヤとしての限界を示す

プラットホームは、スタッドレスタイヤの性能を最大限に発揮するための指標です。このサインが現れる前に交換することで、冬道での安全性を確保できます。

スタッドレスタイヤの性能低下を示すそのほかのサイン

スリップサインとプラットホーム以外にも、スタッドレスタイヤの性能低下を示すサインがいくつかあります。主に、以下の3つも確認しておきましょう。

  • ゴムの劣化
  • ひび割れ
  • 偏摩耗

これらのサインについて、詳しく解説します。

ゴムの劣化

タイヤはゴム製品であり、ゴムは使用していなくても経年劣化します。時間が経つにつれてゴムが硬くなり、プラットホームが出ていない場合でも、スタッドレスタイヤとしての性能が低下することに注意しましょう。

スタッドレスタイヤは凍った路面にしっかり密着するよう、夏タイヤよりも柔らかいゴムで製造されています。そのため、十分なミゾがあっても、ゴムが硬いと滑りやすくなります。タイヤの硬度は硬度計で確認でき、硬度計のあるタイヤ販売店などで簡単にチェックが可能なので、ぜひ点検してください。

ブリヂストンのスタッドレスタイヤ「BLIZZAK」は、独自技術の発泡ゴムにより、ゴムの柔らかさが従来よりも持続します(※)。時間の経過によるグリップ性能の低下を抑制し、安全性が長持ちするのが特徴です。

※【試験条件】

  • 試験方法:「BLIZZAK VRX3」「BLIZZAK VRX2」「BLIZZAK VRX2(非発泡ゴム搭載の試作品)」のタイヤを用い、各々を経過年見合いで促進劣化後、タイヤ単体で氷上摩擦係数を計測
  • 氷温:-2℃
  • 試験場所:当社技術センター室内試験機

ひび割れ

ひび割れがタイヤ内部のコードに達している場合は、使用限界のサインです。内部のコードに達していなければ、ひび割れをしていても安全上の問題はありません。

ひび割れ

タイヤコードは、走行によってタイヤが受ける荷重や衝撃、充填する空気圧に耐える役割を担うため、ひび割れたまま使用するとタイヤが破裂し事故につながる恐れがあります。

偏摩耗

タイヤの偏摩耗

偏摩耗とは、タイヤのトレッド(路面との接地面)が道路条件や使用条件等により、部分的に異常に摩耗する現象です。タイヤの寿命の短期化、振動や騒音の発生に繋がり、また、ブレーキ性能が正しく発揮できなくなります。

偏摩耗の原因としては、整備不良や空気圧不足、急ブレーキ・急ハンドルによる運転操作などさまざまです。そのため、定期的な点検と適切な整備が欠かせません。

スタッドレスタイヤの摩耗を抑える乗り方とメンテナンス

スタッドレスタイヤの寿命を延ばし、性能を維持するためには、適切な運転とメンテナンスが不可欠です。

ここでは、タイヤの摩耗を抑える方法と日常的なメンテナンスについて解説します。

安全運転を心がける

スタッドレスタイヤにスリップサインやプラットホームが出現するのは、使用年数だけでなく、運転操作も要因です。例えば、急ブレーキ、急ハンドル、ハンドルの据え切り(停車した状態でハンドル操作すること)は、早期の摩耗につながります。

余裕を持ったブレーキ・ハンドル操作は、安全運転上はもちろん、タイヤの寿命を延ばす意味でも大切です。

定期的に空気圧を調整する

上述のとおり、タイヤの空気圧が不足・過多の状態で走行を続けることも、偏摩耗の原因の一つです。メーカーが推奨する空気圧を保てるよう、定期的に数値を確認し、最適なバランスに調整しましょう。

カーメーカー指定の空気圧やインチアップした場合の空気圧については、以下で解説しています。

定期的にタイヤの装着位置を交換する

タイヤは、装着位置によって摩耗の仕方が変わることがあります。そのため、5,000km走行につき1回を目安として、タイヤの装着位置を変えることが望ましいです。

ローテーションの方法については、下図をご参照ください。

■乗用車用タイヤの位置交換例

回転方向の指定のないタイヤ 回転方向が指定されているタイヤ
FR車及び4WD車 FF車 駆動方式を問わず
偏摩耗
偏摩耗
偏摩耗

適切なタイミングで夏タイヤに交換する

スタッドレスタイヤでは、乾燥路や湿潤路の走行も可能ですが、冬道を安全に走行できるよう凍結路での性能を重視して設計されています。夏タイヤに比べてゴムが柔らかいため、夏場に使用すると減りが早くなるので注意が必要です。

したがって、夏場は夏タイヤ(ノーマルタイヤ)の使用をおすすめします。季節に応じた適切なタイヤを使用することでタイヤの寿命を延ばし、安全性が確保できるでしょう。

適切に保管する

タイヤの劣化を避けるための保管方法として、以下の3つのポイントがあります。

  1. 1.保管場所
    直射日光・雨・水・油類・ストーブなどの熱源、および電気火花の出る装置の近くを避けて保管しましょう。
  2. 2.空気圧
    空気圧を1/2まで下げましょう。タイヤの緊張を和らげることで長持ちします。
  3. 3.置き方
    ホイール付きで保管する場合は平置きがおすすめです。縦置きではホイールの重さによって、タイヤの接地部分が変形してしまう場合があります。

タイヤ館の「タイヤ保管サービス」では、セキュリティが確保された環境で、タイヤの知識に長けたスタッフが保管と管理を行います。お客様は履き替え時にご予約のうえ、手ぶらで足を運んでいただくだけで構いません。履き替え時には無料点検を実施しています。

日常的な点検を行う

日常的な点検を行うことで、タイヤの異常に素早く気づくことができ、速やかに対応できるので結果として寿命が延びます。例えば、定期的に空気圧を確認・調整すれば、空気圧不足による偏摩耗の発生を防ぐことが可能です。

日々の点検習慣を身につけ、タイヤの状態を常に把握し、適切なタイミングでのメンテナンスや交換を行うことが大切です。

まとめ

スタッドレスタイヤには「スリップサイン」と「プラットホーム」と呼ばれる、使用限界を示すマークが2種類あります。スリップサインはタイヤとしての限界を、プラットホームは冬用タイヤとしての限界を示すものです。

ほかにも、ゴムの劣化、ひび割れ、偏摩耗などのサインで、スタッドレスタイヤの状態を把握できます。タイヤの摩耗を抑えるには、定期的なメンテナンスや日常的な安全運転が大切です。また、外したスタッドレスタイヤは適切に保管しましょう。

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