スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの見分け方とは
冬の運転に備えて、スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの見分け方を理解しておきましょう。
この記事では、スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの見分け方や、寿命の判断基準、使用すべき場面などについて解説します。ぜひ、冬のタイヤ選びの参考にしてください。
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの見た目の違い
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤは、次の2つのポイントから見分けることができます。
- 側面の刻印
- 溝や切り込みの形状
それぞれ見ていきましょう。
側面の刻印
スタッドレスタイヤの最も分かりやすい見分け方は、側面に「STUDLESS」という刻印があることです。

溝や切り込みの形状
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤは、形状にも違いがあります。

左:BLIZZAK WZ-1(冬タイヤ)、右:REGNO GR-XIII(夏タイヤ)
スタッドレスタイヤのほうが溝が太く深くなっており、雪をしっかりと掴むことが可能です。
また、ギザギザした切り込み(サイプ)がたくさん入っているのも特徴です。この切り込みが、路面の水分を効果的に逃がすと同時に、エッジ効果で氷を引っ掻いてタイヤと路面の密着力を高めています。
氷雪路面での安心・安全な走行を実現するために、スタッドレスタイヤはノーマルタイヤとは異なる独自の構造を持っているのです。
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの「寿命」の見分け方
タイヤの寿命を判断する際、スタッドレスタイヤは「プラットホーム」、ノーマルタイヤは「スリップサイン」を、それぞれ確認しましょう。
ここでは、各タイヤの寿命を示すサインについて解説します。
スタッドレスタイヤは「プラットホーム」
スタッドレスタイヤの寿命は、プラットホームという突起が見えているかどうかで判断できます。
プラットホームはブロックの間にあり、配置されている場所はタイヤ側面にある矢印で表示されています。タイヤがすり減り、プラットホームがブロックの高さに近づいたら、交換の目安です。


スタッドレスタイヤの寿命は何年?年数の目安と交換タイミングの見分け方
タイヤの交換タイミングや寿命を無視して使い続けるリスクを詳しく解説します。
ノーマルタイヤは「スリップサイン」
ノーマルタイヤの寿命は、スリップサインと呼ばれるマークが出ているかどうかで判断しましょう。スリップサインは、残り溝が1.6mmになると現れるマークです。このマークが1箇所でも現れたタイヤは、道路交通法で装着・使用が禁止されています。

スタッドレスタイヤにもスリップサインがあり、ノーマルタイヤと同様に現れたら装着・使用ができません。
しかし、スタッドレスタイヤはスリップサインが出るより前に、新品時から50%の摩耗で氷雪路面でのグリップ性能が大きく低下します。そのため、タイヤ側面にある「プラットホーム」を目安に、より早い段階での交換がおすすめです。
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの違いは見た目だけではない
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの違いは見た目だけではありません。素材や性能を発揮する路面状況にも違いがあります。
スタッドレスタイヤ | ノーマルタイヤ | |
---|---|---|
ゴムの硬さ | 柔らかい | 硬い |
性能を発揮する路面状況 | 凍結路や積雪路 | 乾燥路や湿潤路 |

スタッドレスタイヤは、凍結路にしっかりと密着するようにノーマルタイヤよりも柔らかいゴムが使われています。
この柔らかいゴムと、先に紹介した太くて深い溝や細かな切り込み(サイプ)を合わせることで、凍った路面や雪が積もった路面でも安全な走行が可能です。

反対に、柔らかいゴムは路面温度の高い夏場では柔らかさが増し、路面との摩耗が起きやすくなります。これにより、制動距離(ブレーキが効き始めてから実際に車で停止するまでの距離)が長くなることがあります。
そのため、乾燥路や湿潤路での走行を重視した設計がされたノーマルタイヤには、スタッドレスタイヤよりも硬いゴムが使われているのです。

スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの性能の違いとは
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの性能・特徴の違いや、適切な使い方を画像とともに紹介します。
オールシーズンタイヤなら両方の機能を満たせる?
オールシーズンタイヤは、その名称から「1年中使えるタイヤ」と思われがちです。しかし、オールシーズンタイヤはノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの両方の性能を持つわけではありません(一部商品を除く)。
路面状況 | スタッドレスタイヤ | オールシーズンタイヤ | 夏タイヤ |
---|---|---|---|
乾燥路 (乾いた路面) |
△ | 〇 | ◎ |
湿潤路 (濡れた路面) |
△ | 〇 | ◎ |
凍結路 (路面が氷で覆われた状態) |
◎ | × | × |
圧雪路 (積雪が踏み固められた状態) |
◎ | 〇 | × |
高速道路 冬用タイヤ規制の 走行可否※2 |
通行可 | 通行可 | × (チェーン装着) |
全車チェーン規制の走行可否※3 | × (チェーン装着) |
× (チェーン装着) |
× (チェーン装着) |
乾燥路 (乾いた路面) |
|
---|---|
スタッドレスタイヤ | △ |
オールシーズンタイヤ | 〇 |
夏タイヤ | ◎ |
湿潤路 (濡れた路面) |
|
スタッドレスタイヤ | △ |
オールシーズンタイヤ | 〇 |
夏タイヤ | ◎ |
凍結路 (路面が氷で覆われた状態) |
|
スタッドレスタイヤ | ◎ |
オールシーズンタイヤ | × |
夏タイヤ | × |
圧雪路 (積雪が踏み固められた状態) |
|
スタッドレスタイヤ | ◎ |
オールシーズンタイヤ | 〇 |
夏タイヤ | × |
高速道路冬用タイヤ規制の 走行可否※2 |
|
スタッドレスタイヤ | 通行可 |
オールシーズンタイヤ | 通行可 |
夏タイヤ | × (チェーン装着) |
全車チェーン規制の走行可否※3 | |
スタッドレスタイヤ | × (チェーン装着) |
オールシーズンタイヤ | × (チェーン装着) |
夏タイヤ | × (チェーン装着) |
- ※1ブリヂストンにおける各タイヤの性能特性をイメージした表です。
- ※2乾燥路面と同様の性能を保証するものではありません。速度等、雪道での運転には十分ご注意ください。
- ※3いかなるタイヤ(スタッドレスタイヤ含む)もチェーン装着が必要となります。全車チェーン規制に備えチェーンを携行ください。
オールシーズンタイヤは、突然の積雪路面を走行できる性能を持っています。しかし、凍結路では夏タイヤと同様に滑りやすくなるため、スタッドレスタイヤの代わりにはなりません。
これらを踏まえ、お住まいの地域やお出かけ先に合わせたタイヤを選びましょう。

スタッドレスタイヤの代わりにオールシーズンタイヤを使える?
凍結路での性能差をはじめ、それぞれのタイヤの特徴と違いをご紹介します。
まとめ
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤを見分ける際には、側面の「STUDLESS」の刻印の有無や、溝の形状を確認しましょう。
また、スタッドレスタイヤとノーマルタイヤは、寿命の判断基準や、使用されている素材、適切な走行路面などにも違いがあります。スタッドレスタイヤは柔らかいゴムで氷雪路面での安全性を確保する一方、ノーマルタイヤは硬いゴムで乾燥路や湿潤路での走行性能を重視しています。
オールシーズンタイヤは突然の雪にも対応できますが、凍結路では滑りやすいため、スタッドレスタイヤの代わりにはなりません。
ブリヂストンのオンラインストアでは「タイヤを選ぶ」「取付店舗を予約する」「予約日に店舗へ行く」の3ステップで、簡単に購入から取付が可能です。また、お近くの店舗へ来店予約をしていただければ、お住いの地域や車種などから最適なタイヤ選びをご提案させていただきます。専門スタッフが丁寧に相談に応じ、あなたの車と走行環境に適したタイヤをお選びいたしますので、ぜひご活用ください。

ブリヂストンは4つのタイプの店舗を全国に展開し、
良質な製品とサービスをお届けしています。
