JOURNAL FROM CIRCUIT TO STREETS

FORMULA DRIFT JAPAN

RE-71RZでドリフトに参戦
井口卓人選手の新境地

長きに渡りPOTENZAの開発に参加し、タイムアタックや走行会など、POTENZAを熟知する井口卓人選手が、今シーズンからFORMULA DRIFT JAPANに参戦。SUPER GTやGR86/BRZ Cupなど数々のカテゴリーでタイトルを獲得してきたトップドライバーが、新たな挑戦の舞台に選んだのはドリフト。グリップ走行とはまったく異なる競技の世界。そこで井口選手は、ドライバーとして新たな刺激を受けると同時に、開発テストにも携わったPOTENZA RE-71RZの新たな可能性にも触れることになった。

CONTENTS

グリップ競技で数々の実績を残してきた井口選手。未知の舞台となるFORMULA DRIFT JAPANでも、初参戦ながら予選通過を果たした。

一発勝負。その緊張感はレースとも違った

長年レースの最前線で戦い続けてきた井口選手にとっても、FORMULA DRIFT JAPANは未知の世界だった。
レースであれば周回を重ねながらペースを組み立て、多少のミスがあっても次の周回、そのまた次の周回で挽回することができる。しかしドリフトは違う。限られた採点区間の中でライン、角度、スピードを高いレベルで成立させなければならない。一瞬の判断と操作が結果を左右する、一発勝負の世界だ。

実際、井口選手自身も「まだ一度も完璧に決まったことはない」と振り返る。それでも初参戦で予選通過を果たした走りは、多くの関係者の目を引いた。

練習走行でのワンシーン。RE-71RZを装着した2台が富士スピードウェイを駆け抜ける。草場選手によれば、イニシエーションからの車速の乗り方にも進化を感じたという。

POTENZAで長くFDJに参戦する草場選手も、そのひとりだった。練習走行の段階から井口選手の走りに注目していたという草場選手は、「やはりレーシングドライバーは違う」と、その適応力を高く評価。慣れないドリフトマシンを操りながらも、短期間で結果を残した姿に驚きを隠さなかった。

FDJを戦う先輩と新参者という立場でありながら、会話は終始和やか。競技のこと、マシンのこと、そしてタイヤのこと。話題は尽きなかった。

レース、タイムアタック、そしてドリフト。カテゴリーが変わっても結果を残す対応力は、トップドライバーならではだ

開発ドライバーとしてRE-71RZのテストにも携わってきた井口選手。まさかそのタイヤを履いてドリフト競技に挑戦する日が来るとは、本人も想像していなかったかもしれない。

普段グリップでレースをしているのとは全然違う緊張感でした。レースは周回の中でリカバリーできる部分もありますが、ドリフトは短い区間の中でやるべきことをしっかり決めなければいけない。僕にとっては本当に新しい挑戦ですね。でも初参戦で予選を通過できたのは素直にうれしかったです。

井口 卓人

VEICOLO BRZで挑む初めてのFDJ。鮮やかなブルーとオレンジのカラーリングは、コース上でもひときわ目を引く存在だった。

ドリフトの現場で見えた、RE-71RZのもうひとつの顔

今回の参戦は、井口選手にとってPOTENZA RE-71RZをドリフト競技で試す初めての機会でもあった。
これまで主にグリップ走行の中で評価を重ねてきたRE-71RZ。その性能を知り尽くした開発ドライバーだからこそ、競技が変われば違った発見がある。

井口選手がまず挙げたのは、ウォームアップ性能の高さ。そして高いグリップ力による安心感だった。一方で、長年ドリフト競技でPOTENZAを使用してきた草場選手からは、従来モデルからの進化を実感する声も聞かれた。特に富士スピードウェイの100Rから続く高速セクションでは、これまで以上に高いスピード域でアプローチできるようになったという。

開発ドライバーの評価と、実戦の最前線で戦うドリフトドライバーの評価。その両方が重なったことは、RE-71RZにとっても興味深い結果と言えるだろう。

タイムアタックや走行会で評価を重ねてきたRE-71RZ。ドリフトという新たなフィールドでも、その実力の一端を垣間見ることができた。

ドリフトで使うのは今回が初めてでしたが、まずウォームアップがすごく良いなと感じました。さらにグリップ感が高くて、スピードを高く維持できる感覚がありました。開発に携わったタイヤなので、実際にドリフトの現場でもそうした評価を聞けたのはうれしかったですね。

井口 卓人

「まだ一度も完璧に決まったことはない」。そう語る井口選手にとって、この挑戦はまだ始まったばかり。RE-71RZとともに戦うシーズンの続きを、これからも見守っていきたい。

未知の世界へ、次の一歩

キャリアを重ねてもなお、自ら未知の世界へ飛び込み、新しい技術や感覚を吸収し続ける井口選手。その姿勢こそが、長くトップカテゴリーで活躍し続ける理由なのかもしれない。

「まだ一度も完璧に決まったことはない」

そう語る言葉からは、挑戦を楽しむ前向きな気持ちが伝わってくる。開発ドライバーとして携わったRE-71RZとともに挑む、新たなステージ。ドリフトという未知の世界で積み重ねる経験は、きっと井口選手をさらに成長させていくはずだ。その挑戦は、まだ始まったばかり。

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