タイヤの正しい保管方法とは?適切な置き方と保管場所
タイヤの保管は、あらかじめ汚れを落としたうえで行いましょう。空気圧は半分程度に落とし、ホイールの有無によって置く向きを変え、暗く涼しい場所に保管してください。この記事では、タイヤを保管する前の準備や、保管方法について紹介します。

タイヤを履き替える際、外したタイヤの保管方法に悩んでいませんか?

タイヤはクルマの部品で唯一路面と接している保安部品であり、「走る」「止まる」「曲がる」といった、クルマの基本的な動作すべてに関係しています。そのため、安全な走行のためにはタイヤの適切な取り扱いが欠かせません。

ただし、タイヤはゴム製品なので、経年劣化や使用方法・保管環境によって、その性能が変化していきます。劣化を防ぎ、長期間安全に利用するためには、適切な方法で保管することが重要です。

この記事では、タイヤを保管する前の準備や、保管方法について紹介します。保管場所の確保が難しい場合におすすめのサービスも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

タイヤを保管する前に

タイヤを保管する前に、表面の汚れを落とすことが重要です。

タイヤには砂や泥、油分、化学物質などの汚れが付着しているため、そのまま保管すると、劣化や変色、ホイールの錆びの原因となります。具体的な方法は次のとおりです。

  • ブラシで汚れを落とす
  • 水で洗い流す
  • 風通しの良い場所で乾燥させる

濡れたまま保管するとカビの発生や劣化を引き起こす可能性があるため、十分に乾燥したことを確認してから保管しましょう。

タイヤの保管方法

タイヤの正しい保管方法を「置き方」と「場所」にわけて見ていきましょう。

タイヤの置き方

タイヤを保管する際は、以下3つのポイントを押さえてください。

  • 空気圧を1/2程度に落とす
  • ホイールの有無で置き方を変える
  • 床面に置く場合は敷物をする

空気圧を1/2程度に落とす

タイヤを保管する際は、空気圧を1/2程度に落としましょう。適正空気圧のままではタイヤが常に緊張した状態になります。空気圧を落として緊張を和らげることで、タイヤへの負担が減り、劣化防止につながります。空気圧は、バルブの中心にあるピンをドライバーなどで軽く押せば調整可能です。

なお、適正空気圧は運転席側のドアや付近、給油口などに貼られているシールに記載されているので、その値を参考に調整しましょう。以下の例でいえば、適正空気圧は「230(2.3)」なので、保管する際は「115(1.15)」程度を目安にしてください。

タイヤ空気圧

ホイールの有無で置き方を変える

タイヤの保管

タイヤを保管する際の向きは、ホイールを付けたまま保管する場合と、ホイールなしで保管する場合で、それぞれ異なります。

ホイールを付けたまま保管する場合は、タイヤを寝かせるようにして保管しましょう。縦置きだと、ホイールの重さでタイヤの接地面が変形する可能性があるためです。また特定のタイヤに負荷がかからないよう、定期的にタイヤの上下を入れ替えてください。

ホイールなしで保管する場合は、縦置きで保管します。横向きだとタイヤの側面に負荷がかかり、損傷や変形につながるためです。縦置きの場合も、特定の接地面に負荷がかからないよう定期的にタイヤを回転させましょう。

床面に置く場合は敷物をする

タイヤには、性能を向上させるための薬品や、ゴムの劣化を抑制する薬品などが配合されています。そのため、床面に直接タイヤを置いて保管すると、それらの薬品がにじみ出て、床面を汚してしまう可能性があります。

床面に置く場合は、段ボールなど厚みのあるものを下に敷くのがおすすめです。

タイヤの保管場所

タイヤの保管場所を選ぶ際は、以下のような場所は避けるようにしましょう。

直射日光、雨および水が当たるところ
»タイヤはゴム製品なので、劣化が進んでしまいます。

油類、ストーブなどの熱源および電気火花の出る装置に近い場所
»変質や発火の原因となり危険です。

特に、ホイールを外してタイヤ単体で保管する場合は、タイヤの中に水や異物が入らないように注意する必要があります。涼しく暗い場所で、専用のカバーをかけて保管することが望ましいです。

タイヤの保管期間による性能変化

タイヤは、適切な環境で保管した場合、保管する期間によってどの程度性能が変化するのでしょうか?

乗用車用タイヤが製造から販売までの在庫期間中にどの程度性能変化するのか、テスト結果があります。

乗用車用夏タイヤ

適正に保管された乗用車用夏タイヤは、3年間は同等の性能を保つことが確認されています。

保管期間とWET制御距離の関係

テスト条件

乗用車用スタッドレスタイヤ

適正に保管された新品スタッドレスタイヤは、3年間は同等の性能を保つことが確認されています。スタッドレスタイヤとしての使用開始後の性能保証は50%摩耗(プラットホーム露出)までです。

保管期間と氷上制御距離の関係

テスト条件

ご自身でタイヤの適切な保管が難しい場合は「保管サービス」の活用を

スペースや環境の問題でタイヤの保管場所の確保が難しい場合は、タイヤ保管サービスの利用がおすすめです。

ブリヂストンでは、タイヤを保管する専用倉庫で、次の履き替えまでお客様のタイヤをお預かりする「タイヤクローク」というサービスを提供しています。セキュリティ対策が万全な環境のもと、タイヤの知識と取り扱いに長けたスタッフが保管・管理を行うため、盗難や劣化の心配がありません。

履き替えの際は事前に予約のうえ、店舗までクルマで来店していただくだけです。重いタイヤを運ぶ手間が省けるだけでなく、預けたタイヤの履き替え時には点検を無料で行いますので、快適・安全にタイヤ交換ができます。

保管していたタイヤの装着時は点検を忘れずに

タイヤは「走る」「止まる」「曲がる」といったクルマの基本性能を支える重要な保安部品です。正しく保管することはもちろん、タイヤの状態をチェックすることも欠かせません。具体的なチェック項目は次のとおりです。

  • 空気圧は適正か
  • ミゾは十分に残っているか
  • 偏摩耗していないか
  • キズやひび割れがないか
  • サイド部が膨らんでいないか
  • 使用開始から5年以上経過していないか(継続使用の可否をタイヤ専門店へ相談することをおすすめ)
  • 製造後10年が経過していないか(交換をおすすめ)

ブリヂストンのタイヤ保管サービスでは、履き替え時の点検も無料で行うため、安心して使用できます。タイヤの点検や、タイヤの製造時期の確認方法について詳しくは以下をご覧ください。

まとめ

タイヤを長く良い状態で使い続けるためには、正しい保管方法を守ることが大切です。
以下のポイントを押さえて、タイヤを保管しましょう。

  • タイヤを保管する前に汚れを落とし、しっかりと乾かす
  • 空気圧を1/2程度まで落とす
  • ホイール付きの場合は横置き(定期的に上下を変える)
  • ホイールなしの場合は縦置き(定期的に接地面を変える)
  • 汚れ防止のため、床面に置く場合は段ボールなど厚みのある敷物を敷く
  • 直射日光、雨、水、油類、ストーブなどの熱源および電気火花の出る装置に近い場所には置かない

タイヤの保管場所の確保が難しいのであれば、ブリヂストンのタイヤ保管サービス「タイヤクローク」の活用をご検討ください。

タイヤに関するお問い合わせ

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