ブラックアイスバーンとは?危険性と予防策
ブラックアイスバーンとは、濡れているように見える路面が、実は凍結している状態です。この記事では、ブラックアイスバーンの危険性や発生条件、安全な運転方法を解説します。

冬の雪道運転で最も危険とされるブラックアイスバーンは、一見すると普通の濡れた路面に見えるため、多くのドライバーが油断してしまいがちです。そのため、ブラックアイスバーンはスリップ事故の主要な原因となっており、適切な知識と対策なしに走行することは非常に危険です。

本記事では、ブラックアイスバーンの危険性や発生条件、そして安全に走行するための具体的な方法について詳しく解説します。ブラックアイスバーンでの事故を防ぐために、ぜひ参考にしてください。

ブラックアイスバーンとは?

ブラックアイスバーンとは、一見するとただ濡れているだけに見える路面が、実は表面が凍結している状態のことです。

ブラックアイスバーン

ブラックアイスバーンは、冬の路面状況のなかでも、特に危険性が高いものとして知られています。ここでは、ブラックアイスバーンの危険性や、アイスバーンとの違いについて、詳しく見ていきましょう。

ブラックアイスバーンの危険性

JAFが実施したテストによると、「ウエット路面」「圧雪路面」「氷盤路面」「ブラックアイスバーン」の4つの路面状況を比較した結果、ブラックアイスバーンは氷盤路面に次いで2番目に制動距離が長いことが判明しました。時速40km/hで急ブレーキを踏んだときの、路面ごとの制動距離は、以下のとおりです。

路面の状況 制動距離
ウエット路面(雨天時の路面) 11.0m
圧雪路面(踏み固められた雪道) 20.2m
氷盤路面(凍結した路面) 84.1m
ブラックアイスバーン(表面が凍結した路面) 69.5m

出典:JAF「路面は黒いけど、止まれない!「ブラックアイスバーン」とは…?」

制動距離とは?

制動距離とは?

ブラックアイスバーンを危険たらしめているのは、薄く張った氷の下のアスファルトの色が透けて見えるため、ただ濡れているだけだと錯覚しやすい点です。

特に、夜間は日中よりも判別が困難になり、ドライバーはスピードを出しがちになります。そのため、ブラックアイスバーンが発生したときはスリップ事故が多くなるのです。

アイスバーンとの違い

アイスバーンとは、凍結した路面全般を指す用語です。つまり、ブラックアイスバーンも「アイスバーン」の一種ということになります。

アイスバーン ブラックアイスバーン 濡れたアスファルトに見えるものの、実は表面に氷が張っている路面
圧雪アイスバーン 車の通行により踏み固められ、氷のようにツルツルになった路面
ミラーバーン 圧縮された路面がタイヤで磨かれ、鏡のようにツルツルになった路面
スクロール

ブラックアイスバーンが発生しやすい条件

ブラックアイスバーンの発生には、特定の気象条件と場所が深く関わっています。これらの条件を理解すれば、危険な路面状況を事前に予測し、適切な対策を講じることが可能です。

ここでは、ブラックアイスバーンが発生しやすい気象と場所について詳しく見ていきましょう。

発生しやすい気象

ブラックアイスバーンが発生しやすい気象は、以下のとおりです。

  • 降雪が1cm未満
  • 路面温度が氷点下
  • 夜間
  • 朝方
  • 気温が3℃以下

ブラックアイスバーンは、路面の水分が少ない状態で、路面温度が氷点下になると発生します。そのため、1cm未満の軽い降雪が昼間に溶けたり、雨が降ったりした後の、冷え込みが強まる朝方や夜間に特に発生しやすいです。

また、水が氷るのは0℃以下ですが、気温が3℃以下になると路面温度は0℃を下回ることがあります。ブラックアイスバーンが発生する恐れがあるため、注意しなければなりません。

発生しやすい場所

ブラックアイスバーンが発生しやすい場所は、以下のとおりです。

  • 風通しがいい橋の上
  • トンネルの出入口
  • 日陰部分

橋の上は四方が吹きさらしの状態になっており、トンネルの出入り口は風の通り道となっています。これらの場所では、薄い氷の膜が形成されやすい環境が整っています。

また、日陰部分は太陽の熱が当たりにくいため、気温が低く保たれ、路面温度も下がりやすいため、ブラックアイスバーンが発生しやすいです。

ブラックアイスバーンなどの凍結路を安全に走行するために

ここでは、ブラックアイスバーンなどの凍結路での事故を防ぐ対策を解説します。

  • 冬用タイヤを装着する
  • 「急」のつく運転を避ける
  • 凍結路を予測した運転を行う

適切な装備をしたうえで、安全運転を心がけることが重要です。

冬用タイヤを装着する

冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)は、雪道や凍結路で滑らず安全に走行できるよう特別に開発されたタイヤです。夏タイヤと比較すると、ゴムの材質が柔らかくなっており、溝が太く、深く設計されています。さらに、細かい切り込み(サイプ)が数多く入っているのも特徴です。

ブラックアイスバーンのような凍結路面では、このゴムの柔らかさと切り込み(サイプ)が効果を発揮します。凍った路面は、気温の変化や日差し、タイヤの摩擦などによって表面が溶けて水の膜が生じます。

ブラックアイスバーン

この水の膜がタイヤと路面の密着を妨げ、タイヤが浮いてしまうことで、スリップを引き起こします。氷を手で持つと溶けてツルツル滑るようになるのと同じ原理です。

冬用タイヤは、路面の水を切り込み(サイプ)から逃がし、柔らかいゴムで凍った路面にしっかりと密着する構造となっています。そのため、夏タイヤよりもはるかに滑りにくい性能を持っているのです。

柔らかいゴムは路面に密着

「急」のつく運転を避ける

凍結路面では、急発進、急加速、急カーブ、急停止といった「急」のつく運転操作は避けましょう。これらの操作は、タイヤのグリップ力を瞬間的に超えてしまい、スリップの原因となります。

特に、ブラックアイスバーンのような滑りやすい路面では、わずかな急操作でも車両のコントロールを失う可能性が高くなります。冬用タイヤを装着していても過信せず、あくまでも安全運転を心がけてください。

凍結路を予測した運転を行う

ブラックアイスバーンは外見上アスファルト路面と区別がつきにくいため、目視による判断には限界があります。そのため、冬道で路面が黒く濡れて見えたら、ブラックアイスバーンだと疑うようにしましょう。常に滑ることを前提とした慎重な運転を徹底することが大切です。

特に、橋の上やトンネルの出入り口、日陰の山間部などは、ブラックアイスバーンが発生しやすい場所として常に注意すべきです。これらの場所を通過する際は、事前に速度を落とし、十分な車間距離を確保してください。

さらに、効果的な対策として、車に装備されている外気温計を積極的に活用し、気温が3℃以下かどうかを常に確認するのがおすすめです。気温が3℃以下になると路面温度が氷点下になる可能性が増すため、この数値は重要な判断基準となります。外気温計は後付けも可能なので、安全運転のために取り付けを検討してみるのもよいでしょう。

ブリザックで凍結路の運転に安心を

ブリザックの最新モデル「BLIZZAK WZ-1」は、従来モデル「BLIZZAK VRX3」と比較して氷上ブレーキ性能を11%短縮し、BLIZZAK史上最高の氷上ブレーキ性能を達成しています。

※【試験条件】室内氷盤路面にて、時速20km/hからのブレーキ性能を比較。従来品(BLIZZAK VRX3)の制動距離15.00mに対し、「BLIZZAK WZ-1」は13.32mを記録。(試験車両:ヤリスHV、タイヤサイズ:185/60R15 84Q、その他詳細な条件はメーカー公式サイトをご確認ください)

WZ-1の実力

氷上ブレーキ性能を向上させた技術は、以下のとおりです。

Wコンタクト発泡ゴム
Wコンタクト発泡ゴム
ゴムが柔らかいため氷にしっかり密着し、細かい気泡が路面とタイヤの間の水膜を除去します。
さらに、残ったわずかな水も親水性向上ポリマーがその水を捉えて抵抗を生み、グリップ力を高めます。
新トレッドパタン
新トレッドパタン
ブロック形状やサイプがタイヤの接地面への水の侵入を抑えて、しっかり接地します。
氷盤路面(凍結した路面) 84.1m
ブラックアイスバーン(表面が凍結した路面) 69.5m
スクロール

また、「BLIZZAK WZ-1」は同社比較の冬用タイヤと比べて、長期間にわたって性能を維持できる点が特徴です。使い始めてから4年経過しても、充分に安全な状態で使用できます。

WZ-1は4年使用後も性能が落ちにくいので安心感が続く

まとめ

ブラックアイスバーンは、一見すると普通の濡れた路面に見えますが、実際は表面に薄い氷が張った非常に危険な路面状況です。JAFのテストでは通常の雨天時と比較して約6倍もの制動距離が必要になることが実証されており、雪道事故の主要な原因となっています。発生しやすい条件として、降雪量1cm未満、気温3℃以下、夜間・朝方の時間帯、そして橋の上やトンネル出入口などの特定の場所が挙げられます。

安全な冬道運転のためには、冬用タイヤの装着が最も基本的で重要な対策です。加えて、「急」のつく運転操作を避け、常に滑ることを前提とした予測運転の心がけが事故防止につながります。オンラインストアを活用すれば、車種やサイズなど車に合う冬用タイヤを簡単に探せるので、ぜひ利用してみてください。

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