自動車の大変革期には、タイヤも変わる
自動車の100年に一度の大変革期。それは自動車を支えるタイヤも大きく進化するということだ。
自動車は、100年に一度の大変革期にあるとされる。電動化や自動運転など、さまざまな分野でドラスティックな変化が起きているのだ。自動車が変わるということは、自動車を支えるタイヤも変わるということでもある。
そこでブリヂストンは、レグノGR-XⅢ(ジーアール・クロススリー)をゼロから開発した。従来製品の延長線上にはない、まったく新しいタイヤである。このタイヤの革新性を確認していただくドライバーとして、ラジオパーソナリティでモータースポーツ実況でも活躍するサッシャさんに白羽の矢を立てた。
なぜなら自動車に造詣の深いサッシャさんは、「電気自動車のテスラ・モデル3に乗るようになってから、タイヤの重要性をさらに強く感じるようになりました」と語っているからだ。
試乗車はテスラ・モデル3。バッテリーに蓄えた電気でモーターを駆動する、BEV(バッテリー式電気自動車)と呼ばれる純粋な電気自動車だ。
「若い頃はタイヤの違いがわからずに、一番安いものを履いていました。けれどもレースの実況をするようになって、タイヤの性能で勝敗が決る場面を何度も目撃してきました。だからタイヤが大事だということを肌で感じていますし、私のモデル3のタイヤを換えたら、静かさも乗り心地も走りもがらりと変わりました。電気自動車の時代こそタイヤの性能が大事だと思っています」
テスラ・モデル3に装着されたレグノGR-XⅢを興味深げに眺めながら、「電気自動車のほうが、タイヤが果たす役割が大きくなる」と語るサッシャさん。
電気自動車こそタイヤが大事だという理由を、サッシャさんは次のように説明する。
まずエンジンの音と振動がゼロになる電気自動車は、そのぶん、タイヤからのノイズが目立つようになる。したがって、タイヤにはこれまで以上の静粛性が求められる。
また、重いバッテリーを積む電気自動車は、エンジン車より車重が重くなる傾向がある。しかもある程度まで回転を上げないと力を発揮しないエンジンと異なり、モーターは電流が流れた瞬間に最大の力を発生する。したがってアクセルペダルを踏むと、電光石火のスピードで強いトルクが伝わり、しかも車重が重いのでタイヤに大きな負荷がかかる。だからこれまでと同じ性能のタイヤでは、快適な走りや正確な操縦性を実現することができない。
車内が静かになることや、モーターの強いトルクが伝わるということは、電気自動車だけでなくハイブリッド車も同じだ。したがってこれからの時代、ユーザーの方に上質な運転体験を提供するには、タイヤづくりをゼロから見直す必要がある。 そこでレグノGR-XⅢは、生まれ変わるほどの大変身を遂げたのだ。
クルマで移動する時間が豊かになる
テストドライブ用のテスラ・モデル3に乗り込んだサッシャさんは、「このクルマはアップデート後のモデルなので、私が乗っているものとは少し違いますね」と言いながら、興味深そうに細部を確認する。
慣れた手つきでドライビングポジションとミラーの角度を整えると、サッシャさんはモデル3のシステムを起動した。
高速道路のETCゲートを通過してから、サッシャさんは少し強くアクセルペダルを踏む。するとモデル3は、エンジン車とは異なる鋭い加速を見せた。サッシャさんは、小さくうなずいた。
優れた加速性能もテスラ・モデル3の特徴。静止状態から100km/hに達するまでに要する時間は4秒台と、エンジン車のスポーツカーに匹敵する。
「モデル3はかなりトルクがあるので、強くアクセルペダルを踏むとタイヤが少し引っかかるような感じがするんです。でもこのタイヤは、それがまるでなくて、スムーズにトルクが路面に伝わります。クルマがアップデートされた影響もあるでしょうが、この滑らかなフィーリングはタイヤによるところが大きいと感じます」
しばらく高速道路を巡航してから、サッシャさんはおもむろに口を開いた。
「すばらしく快適です。エンジン音のないモデル3は、タイヤのノイズと風切り音が目立ちますが、“シャー”という高い音も、“ゴー”という低い音も、すごく小さいです」
「もう少しドライブしてもいいですか?」と、予定の時間を過ぎてもサッシャさんは運転を続けた。静粛性、快適な乗り心地、操縦性に感銘を受けたのだという。
ここでサッシャさんに、低い音(ロードノイズ)は従来の自社製品に比べて12%低いこと、高い音(パタンノイズ)は8%低減していることを伝える。※
「なるほど」と納得の表情を見せたサッシャさんは、「ラジオを聞いてもいいですか」と、オーディオを操作した。車内に、FMラジオの音楽が流れる。
「これだけ静かだと、ボリュームを上げなくても音がクリアに聞こえます。ラジオパーソナリティとしてはすごくうれしいですね。伝えたいことがリスナーの耳にしっかり届くし、こだわって選んだ楽曲のベースラインまで聞いてもらえます。あと、家族と出かけることを考えると、大きな声を出す必要がないから、会話も弾みそう。クルマで移動する時間が豊かなものになりそうです」
レグノGR-XⅢの静粛性と快適性を確認したサッシャさんは、高速コーナーや車線変更で、このタイヤの走行性能を確認した。
「加速する時に引っかかりがないと言いましたけれど、ハンドルを切って曲がる時もすごくスムーズで、思い通りのラインをトレースします。だからただの車線変更なのに楽しい(笑)。このスムーズさはうまく言葉で表現できないんですが、タイヤの形が輪というより、球のように感じます」
ここでサッシャさんに、レグノGR-XⅢの開発にはレーシングドライバーとして活躍した立川祐路さんが協力してくださったことを伝える。
「なるほど!立川さんのSuperGTラストレースを実況できたことが、私の自慢でもあるんです。立川さんがチューニングした乗り味だというのはすごく納得できるし、ほかにどんな技術がこのタイヤに使われているのか、興味があります」
豊かさとサスティナビリティを両立する
1981年に登場したレグノは、「グレート・バランス」という開発テーマで43年にわたって進化を続けてきた。そして冒頭に記したように、自動車の大変革期に対応すべく、生まれ変わるほどの進化にチャレンジした。
ひとつは静粛性で、車内が静かになる電動化の時代にタイヤの静かさが重要になるというのは前述した通り。加えて、自動運転の未来を見据えると、自動車の車内は映画や音楽を楽しむエンターテインメント空間になる可能性もある。
車内で過ごす時間を充実したものにするために、レグノGR-XⅢは従来とは次元の異なる静かさに挑んだ。
サイドウォールには日本古来の吉祥模様のひとつで、縁起物だとされる「分銅繋ぎ模様」を採用。レグノGR-XⅢに用いた繊細な技術を、デザインでも表現している。
操縦性も重要なポイントだ。サッシャさんがおっしゃる通り、モーターの駆動力は素早く、強力にタイヤに伝わる。この駆動力をしっかりと受け止め、正確に路面に伝えるために、レグノGR-XⅢは走行性能を引き上げた。「タイヤが輪の形ではなく、球のように感じた」というサッシャさんの言葉は、この性能を指している。
そして当然ながらいまの時代は、サスティナブル性能も重要だ。タイヤに求められるサスティナブルな性能は、大きくふたつにわけられる。
ひとつは、転がり抵抗を減らして燃費(電気自動車であれば電費)を向上させること。そしてもうひとつは、なるべく少ない材料で生産すること、つまり資源生産性を向上させることだ。
レグノGR-XⅢは、構造や形状、素材に新しいテクノロジーを採用することで、転がり抵抗を減らすとともに、タイヤの質量を低減。サスティナビリティに配慮した製品となっている。
前述したようにレグノの開発テーマは「グレート・バランス」である。けれども新時代のタイヤを開発するにあたって、ブリヂストンは「ENLITEN®(エンライトン)」という技術を採り入れている。
レグノGR-XⅢはしなやかに変形することで音を吸収し、応答性に優れたハンドリング性能も実現する。「ENLITEN®(エンライトン)」という技術は、プレミアムコンフォートタイヤにふさわしい、突出した性能を提供する。
これは、好バランスであることは継承しつつ、それぞれのタイヤのキャラクターにあった性能を尖らせるというもの。たとえばレグノGR-XⅢであれば、静粛性、ハンドリング性能、サスティナブル性能を突出させており、特別なカスタマイズを施したかのようにエッジの立ったタイヤに仕上がっている。
こうした技術的な背景の説明を聞いたサッシャさんは、「このタイヤの登場によって、私たちのクルマ生活にも変化が生じると思います」と語った。
ENLITEN®(エンライトン)の技術によって路面と直接接するトレッド部は、静粛性や走行安定性をさらに高めるように設計。パッと見ではわからないさまざまな技術が惜しみなく投入されている。
「静かな車内ではいままで以上に音楽や会話を楽しむことができるし、運転も楽しめるので車内で過ごす時間のクオリティが上がります。加えて、このタイヤに履き換えると、いまの愛車に乗り続けよう! というモチベーションが生まれると思います。BEVは走行中にCO2を排出しないという意味でエコですが、同時に、 1台のクルマを長きにわたって大切に乗り続けることも、省資源にもつながるはずです」
市街地から高速道路まで、さまざまなシチュエーションと速度域でレグノGR-XⅢの実力を体感した。
愛車の室内で過ごす時間を上質なものにすること、気持ちよく思い通りのドライブができること、持続可能な社会の実現に貢献すること。レグノGR-XⅢには、この3つを両立させたいという願いが込められている。
- サッシャ
- レグノGR-XⅢを体験したサッシャさんは1976年にドイツ・フランクフルトに生まれた。
現在はラジオパーソナリティやスポーツ実況アナウンサーとして活躍中。
モータースポーツも担当することから、自動車にも詳しい。
製品ラインアップ
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REGNO GR-XIII
ENLITEN®搭載によるGREAT BALANCE®の進化と拡張で空間品質と走行性能、サステナビリティ性能を高次元で両立。
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REGNO GRVII
音楽や会話が穏やかに満ちてくる、静かで快適な乗り心地。ミニバンは心やすまるリビング空間に近づいてくる。
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REGNO
GR-Leggera"REGNO"の名を持つに相応しい性能を持つ軽自動車専用GR-Leggera。ワンランク上の静粛性、乗心地であなたの車はタイヤで変わる。