Motor Sports / Time Attack > TOYOTA GR86/BRZ Race 2024 Report > ディーラーメカニック、そしてPOTENZAとともにGR86/BRZ Cupを戦うGTドライバー
Vol.06
鈴鹿サーキットで開催された第7戦で今シーズンのチャンピオンが決定したTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024。惜しくも連覇は叶いませんでしたが、ランキング2位に位置する#1井口卓人選手(POTENZA)をはじめ、多くのPOTENZA RE-10Dユーザーが今季も好結果を残し高いパフォーマンスを見せています。RE-10Dの装着率が毎戦60%を超えることは、RE-10Dが多様なドライビングスタイルに対応し、確かな信頼性を持つことを物語っています。
今回は、国内最高峰のスーパーGT GT300クラスでタイトル争いを展開し、GR86/BRZ Cupでも活躍する蒲生尚弥選手にインタビュー。鈴鹿で開催された第7戦で見事2位表彰台を獲得した彼が、ディーラーメカニックと共に挑むGR86/BRZ Cupでの戦いについて語ってくれました。
スーパーGT GT300クラスで活躍する蒲生選手。GR86/BRZ Cupではネッツ兵庫レーシングチームから参戦し、同チームのディーラーメカニックと共に戦いを続けています。
「現在のチーム体制は3年目で、ディーラーのメカニックさんたちには本当に支えてもらっています。昨年は鈴鹿で3位表彰台に立てましたが、それはチーム全体の頑張りのおかげでしたね。エンジントラブルでマシンを変更せざるを得ない状況から、少しずつスピードを上げていけたのは、チーム全員の努力が実を結んだ結果でした」
体制の変化を経て、マシンセッティングにおいてもこれまで以上に主導的な役割を担うようになった蒲生選手。その中で、ディーラーメカニックたちとの「経験のクロスオーバー」にやりがいを感じていると語ります。
「ディーラーの方々と一緒に学びながら、わからないことは他チームにも相談し、周囲の協力を得ながらマシンの開発を進めています。ディーラーのメカさんたちは毎日一般車に携わるプロで、その知識や技術には驚かされることが多いです。一緒に作業を進める中で、僕が知らなかったことを教えていただくこともありますし、逆に僕の経験を共有する場面もあります。お互いの意見を出し合いながら進められるので、非常に勉強になると感じています」
コンマ数秒の差で勝敗が決まるハイレベルなGR86/BRZ Cup。その中でさらなる上位を目指すには、周囲の支えと自身の成長が欠かせません。
「1台で参戦していると、マシンに問題があるのか、それとも自分のドライビングに原因があるのかを判断するのが難しい場面もあります。こうした状況に対応するため、他チームのデータやアドバイスを積極的に取り入れてきました。また、日頃からカートをはじめとするさまざまな車両で走行を重ね、運転技術の向上に取り組んでいます。こんな地道な積み重ねが、少しずつ結果に結びついていくと感じています」
さらに、チームの進化を支える重要な要素としてPOTENZAタイヤの存在があると言います。
「今シーズンから、RE-09DからRE-10Dへとタイヤが変わりましたが、性能の安定感を損なうことなく、気候条件に左右されずパフォーマンスを発揮してくれる点は、チームの判断を支える大きな要素です。コンディションによってタイヤ性能を気にする必要がないことで、マシン全体のパフォーマンス向上に集中できています。また、スーパーGTでもブリヂストンタイヤを使用していますが、タイヤのピークの出し方など、一貫したキャラクターを感じます。長くブリヂストンタイヤでレースをさせてもらっていることで、信頼感がありますし、その経験が非常に大きなアドバンテージになっていると感じています」
マシン性能の向上と運転技術の進化を両輪に、少しずつ着実な成長を遂げる蒲生選手とネッツ兵庫レーシングチーム。その歩みは、周囲の協力とタイヤ性能に支えられています。課題を一つひとつ解決しながら、より高い目標に向けて進化を続ける蒲生選手の今後の活躍が期待されます。
元86/BRZレーサー(実は2013年初代ポールシッター)。
BMW&MINI Racingレースディレクター。
今シーズンは、2年ぶりにS耐に復帰。
新菱レーシングの#7新菱オートVARIS☆DXL☆EVO10をドライブ。