Motor Sports / Time Attack > TOYOTA GR86/BRZ Race 2024 Report > POTENZAとともにGR86/BRZ Cupを熱くするGTドライバー吉田広樹
Vol.05
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2024の第6戦と第7戦が、岡山国際サーキットと鈴鹿サーキットで開催されました。
第6戦の岡山大会では、#160 吉田広樹選手が8番グリッドから見事な追い上げを見せて、自身の今シーズン初表彰台となる2位を獲得。POTENZA RE-10Dのポテンシャルを活かしたオーバーテイクで決勝レースを大いに盛り上げました。
第7戦鈴鹿大会では、練習走行がウェット、予選・決勝がドライコンディションという難しい条件の中、予選で2番グリッドを獲得した#121 蒲生尚弥選手が安定した走りでポジションをキープし、こちらも今シーズンの初表彰台となる2位を獲得。#7 堤 優威選手が3位へと続き、RE-10Dが安定して高いパフォーマンスを発揮することを証明しました。
今回は、第6戦で初表彰台に加えてファステストラップを記録し、その速さを存分に披露した吉田選手に、自身が立ち上げた新チームについてお話を伺いました。
スーパーGTやスーパー耐久で埼玉GREEN BRAVEの一員として活躍する吉田選手は、今シーズンから新たに自身のチーム『GR Garage 浦和美園』を立ち上げ、GR86/BRZ Cupでの活動を続けています。
昨年、ドライバー兼チームオーナーとして#1 井口 卓人選手がタイトル獲得という偉業を成し遂げているだけに、吉田選手の新たなステップにも注目が集まります。
「昨年、チームがGR86/BRZ Cupでの活動に区切りをつけることが決まったときに、自分の中では、この体制でならもっと良い結果を求められるという想いがありました。井口選手と全く同じという訳ではありませんが、個人でスポンサーを集めて、これまでの活動を引き継ぐような形でチームを立ち上げました」
吉田選手のGR86/BRZ Cupへの熱い思いは、新チームの運営に反映されています。
「マシンには『GR Garage 浦和美園』とともに僕の地元の『GR Garage熊本中央』のステッカーが入っています。
熊本のGRからメカニックを派遣していただいて、これまでに僕たちがGR86/BRZ Cupで得てきたノウハウをフィードバックすることで、熊本、そして九州でレースに興味を持っているドライバーの方が参戦する際の力になれればと考えています」
「昨年までの、走るだけの立場から、チームに対して責任を持たなくてはならない立場に変わったことで、練習走行の一本一本に対して、これまで以上に支えてくれている方々への想いが深まってきました。
練習走行の回数や内容に関しては、どうしても昨年同様にとはいきませんが、やはりレースは勝てるパッケージを揃えることで結果が出せるスポーツなので、しっかりと揃えなくてはならない部分は揃えて、僕自身のドライビングで補うことができる部分は精一杯力を発揮できるように努めています」
GR86/BRZ Cupをはじめとしたモータースポーツの裾野をさらに広げるために戦う吉田選手。その走りを支えるPOTENZA RE-10Dに関してこのように答えてくれました。
「今シーズンは、難しいコンディションのレースが多く、セーフティーカーが入ったり、状況が読みづらいレースが続いていて、僕自身もまだまだベストな走りができてはいません。そんな状況だからこそ、POTENZA RE-10Dの安定した走行性能は、かなりのアドバンテージになりますね。セッティングをうまくまとめていければ、RE-10Dの性能をより活かして、さらに上の結果が出せると思います」
第6戦の岡山では、優勝にこそ手が届かなかったものの、見事な追い上げで決勝レースを盛り上げた吉田選手。自身の走りをこのように振り返りました。
「予選は8番手と、厳しい状況ではありましたが、決勝では、序盤にファステストラップを獲得できたことで、自信を持ってポジションを上げていくことができました。正直、2位のポジションまで追い上げられるとは思っていませんでした。目の前の一台一台をいかにフェアに抜いていくかに集中しました。RE-10Dのポテンシャルを存分に活かせたレースだったと思います」
井口選手に続いて、オーナー兼ドライバーとして戦う吉田選手。埼玉、そして地元熊本への想いを胸に走るその姿に、ぜひ注目してください。
元86/BRZレーサー(実は2013年初代ポールシッター)。
BMW&MINI Racingレースディレクター。
今シーズンは、2年ぶりにS耐に復帰。
新菱レーシングの#7新菱オートVARIS☆DXL☆EVO10をドライブ。