Motor Sports / Time Attack > Formula Drift JAPAN 2024 REPORT > FORMULA DRIFT JAPAN 2024 Report Rd.5 GRANSNOW OKUIBUKI
Formula Drift JAPAN 2024 Report
Rd.5 GRANSNOW OKUIBUKI 8/24~25/2024
チームクスコのバックアップが
勝利へ誘う
POTENZAとともに草場佑介選手がFDJを戦うGR86。
その製作からメンテナンスまでのすべてを担うのがチームクスコだ。
今回はチームクスコを率いる株式会社キャロッセ社長 長瀬努氏に
フォーミュラDジャパンについて訊いた。
チームクスコのレース経験が生んだ最高のマシン
フォーミュラDジャパンにCUSCO Racing GR86で挑む草場佑介選手。その車両の製作からメンテナンス、サーキットサービスまで、すべてを担っているチームクスコは、CUSCOブランドを展開する総合パーツメーカー、株式会社キャロッセに属している。
株式会社キャロッセは、1977年に創業者でラリードライバーだった加勢裕二氏が開いたラリーショップが始まりで、CUSCOブランドは1983年に誕生した。創業から現在に至るまで全日本ラリーやワールドラリー、スーパー耐久シリーズなど、国内外のモータースポーツに挑み続けている。フォーミュラDジャパンには2020年から参戦しており、その経緯を長瀬社長が教えてくれた。
「ドリフトというとアジアのリーズナブルなパーツで構成されたクルマが走るイメージでしたが、数年前にアメリカへ視察に行ったとき、そこで走っているクルマたちはハイレベルなレーシングパーツで作られていたんです。これだったらうちのパーツの出番もあるかなと。そこで、ドリフトもやってみようと思いました」
長瀬社長はドライバー経験も豊富で、全日本ジムカーナ選手権では3度のクラスチャンピオンに輝いている。
「もともとAE86でラリーをしていたメーカーですし、アメリカでAE86のドリフト車両を走らせたこともありました。そんなつながりもあって、ぜひ86でやりたいなと。そこからGR86になり、今も参戦しています」
CUSCO Racing GR86のスペックは凄まじく、市販車のGR86とはまったくの別ものと言ってもいい。このマシンのポテンシャルについて、ドライバーの草場選手も『現時点で考えられるドリフトマシンとしては最上級。POTENZA RE-71RSのグリップを最大限に引き出せる』と言うほどだ。
「日本だけでなく世界に向けてCUSCOのブランドイメージを高めることを目的にしてドリフトに参戦しています。そのために全力投球をして最上級のマシンを提供しています。たとえば、足まわりについて。アップライトを自社でイチから設計して、NC旋盤で削り出して作っています。理想的なジオメトリーにできますし、その調整が細かくできるのが強みです」と長瀬社長。
もちろん最上級の車両があったとしても、勝つためにはドライバーの実力が不可欠だ。CUSCO GR86のステアリングを握る草場選手について、長瀬社長はこう語る。
「草場選手とはいろいろな話をしますが、まず社会人としてきちんとしている人ですね。ワイルドな印象を持たれるドリフトですが、彼は礼儀や挨拶が完璧です。そして、もちろんドリフトの技術が高い。スキルだけでなく、人としても信頼できるので、安心してマシンを任せられます。実際に、上位に食い込み、シリーズランキングでは常に一桁のポジションにいます。彼の巧さは誰もが認めるところです。
一瞬が勝負になるドリフトでは、メンタル面が大きな影響を与えると思います。彼には、毎戦プレッシャーをかけていますが、彼はそのプレッシャーに徐々に強くなってきています。そろそろ、頂点に立つ日も近いのではないかと感じています」
チームクスコの手厚いバックアップを受けて、草場選手の戦績は着実に向上してきている。目指すはさらなる高みだ。
「毎回完璧なクルマを用意してもらっているチームクスコには、本当に感謝しています。練習走行で不調があっても、本番までには必ず修正してくれるメカニックの皆さんは、とても心強い存在です。クルマの開発や設計を担当してくれているファクトリーのスタッフにも、大変助けられています。今シーズンはアドバイザーに走りを見てもらい、戦略面やセッティング面を徹底的に詰めてきたことで、昨年よりも総合力は確実にアップしています。また、高いグリップ力を持つRE-71RSのポテンシャルを引き出すために、空気圧からサスペンションまで細かく調整を行い、かなり良い状態に仕上がっています。僕自身も、そろそろ結果を出したいと強く思っています」
今回、草場選手は18位で予選を通過し、決勝ではGREAT8まで進出。敗れはしたものの、前回を上回るリザルトを残した。シリーズは早くも次戦岡山国際が最終戦となる。草場佑介とチームクスコの活躍に期待がかかる。
#77 Team Cusco Racing GR86 草場佑介 | |
予選18位 | 80点(ライン26点 アングル29点 スタイル25点) |
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GREAT8 | 松山北斗戦 敗退 |
Result | 総合結果8位 |