Motor Sports / Time Attack > TOYOTA GR86/BRZ Race 2024 Report > GR86/BRZ Cupを戦うPOTENZAドライバーたち
Vol.02
GR86/BRZ Cup第2戦が大分県のサーキット「オートポリス」で開催されました。
POTENZA RE-09Dユーザーの最上位は、2位表彰台を獲得した#7堤優威選手(POTENZA)。堤選手は、6番グリッドから見事なスタートダッシュを決めると、レースの流れを的確に掴む走りで、今シーズンの初表彰台を獲得しました。昨シーズン、最終戦までタイトルを争ったドライバーが、早くも今シーズンの上位争いに顔を覗かせました。また、開幕戦で5位に入賞した#121蒲生尚弥選手は、7番グリッドから4位入賞を果たし、好調な走りを見せました。
今シーズンもタイトル争いは、RE-09D同士の激しいバトルが展開されそうです。
今回は、GR86/BRZ Cupで、熱いシーズン争いを繰り広げるPOTENZAドライバーたちをご紹介します。
フェアかつアグレッシブな走りで2023シーズンのチャンピオンに輝いた井口選手は、「ドライバーとしては、もちろん連覇を狙っていきたい」と語ります。しかし彼の役回りはそれだけでなく、チーム代表としての責任も強く感じている様子。東京SUBARU、千葉SUBARUをはじめとする全国のSUBARUディーラーなど、チームの活動を支えてくれている全ての人々に感謝し、彼らがレースを通じて笑顔になれるようなシーズンにすることを目標に掲げています。そのためにも、「毎戦しっかりとチームとして成長する姿を見せたい」という井口選手。チーム、そしてSUBARUファンの期待を背負う彼の走りに注目してください。
GR86/BRZ Cupの前身86/BRZ raceが開幕した2013年以来、10年にわたってプロとの戦いに挑み続けている井上選手。練習走行、占有走行、予選と、毎戦プロドライバーたちが記録する驚異的なタイムに食らいつきながらも「予選での1秒の壁がどうしても突破できない」と語ります。しかし、さらなる改良が加えられた今シーズンのRE-09Dは、これまで以上にタイヤのグリップが感じやすくなっているので、セッティングを含めてプロとの差を埋める助けになりそうだとのこと。決勝では、トップドライバーたちと遜色のないタイムを記録しているだけに、予選での飛躍が叶えば、念願のポイント獲得にも期待がかかります。
昨年あと一歩というところでチャンピオンの座を逃した堤選手。その速さは、SUPER GTでも遺憾無く発揮されており、周囲からのタイトル獲得への期待が年々高まっています。開幕戦は、初の栄冠へ向け好発進を切りたいところでしたが、予選で走路外走行のペナルティを受けてしまいました。しかし、それでもポイントの取りこぼしを極力避けるために、決勝でしっかりとファステストラップを記録してポイントを獲得するとともに、速さを証明してくれました。続く第2戦では、6番グリッドスタートから2位表彰台を獲得し、きっちりとタイトル争いに復帰。POTENZAの新エースが初王座へ向けて加速しています。
GR86/BRZ Cupで、年々その存在感を増してきている中山選手。2023年シーズンの最終戦では、GT500ドライバーの圧倒的なドライビングスキルを披露し、GR86/BRZ Cupでの初優勝を飾りました。自身の強みである「決勝での速さ」に加えて、「これまでの高性能を拡張させた正常進化版でありながら、よりGR86/BRZというクルマにあわせてきた」と中山選手が語るRE-09Dのポテンシャルをさらに引き出すことができれば、昨年以上の活躍が期待できそうです。RE-09Dとともに戦うGT500ドライバーのハイレベルな走りにぜひ注目してください。
POTENZAの開発を担う佐々木選手。カートやフォーミュラ出身のドライバーが好成績を収めるモータースポーツトップカテゴリーの例に漏れず、GR86/BRZ Cupでもその傾向は強まりつつあります。そんななかで、ツーリングカー乗りとして「このクルマで負けたくない」という強い思いを抱き、アップデートできる部分はしっかりと改善して、上を目指していきたいと語ります。タイヤ開発においては、「POTENZAは、どんなドライバーでも、どんなサーキットでも、常に圧倒的な速さを見せるタイヤであるべきだ」と、これまでのRE-09Dが残した輝かしい成績に甘んじることなく、さらなる高みを目指し続けています。常に高みを目指す、POTENZAエースドライバーの今シーズンの走りに期待が高まります。
「最近のシーズンはセッティングやタイヤのグリップに迷走していました」と語る鶴賀選手。しかし、RE-09Dに改良が加えられたことで、今シーズンはこれまで以上にタイヤのグリップを感じやすくなり、最近では「自分のなかで、タイヤの状態が非常にクリアになってきた」とのことです。自分の感覚を信じられない状況から抜け出し、「正しい方向と間違った方向を明確に区別できるようになった」ことで、セットアップにも自信を持って取り組めるようになりました。彼が上位争いをするのもそう遠い日ではなさそうです。今シーズンもプロとの真剣勝負に挑む鶴賀選手のパフォーマンスに注目してください。
昨2023年は、序盤こそノーポイントだったものの、もてぎ大会での優勝を皮切りに、その後は常に上位を争う好調なシーズンだった久保選手。2024年シーズンも、その勢いを継続したいところでしたが、開幕戦では占有走行で好タイムを出すも予選結果はもうひとつ。決勝でもポジションアップこそしたももの、彼本来の速さを発揮するところまでは至りませんでした。今シーズンは、「RE-09Dはリアのグリップが向上しているので、そこをいかにうまく活かせるか」が鍵とのこと。初代BRZチャンピオンの久保選手の活躍に期待です。
ネッツ兵庫のディーラーメカニックとともにGR86/BRZ Cupを戦う蒲生選手。昨2023年の鈴鹿戦では3位表彰台を獲得し、今シーズンも開幕から2戦連続で上位入賞を果たすなど、勢いを見せています。「チームがしっかりとマシンを仕上げてくれるので、優勝してみんなで喜びたい」と、さらなる活躍へ手応えを感じている様子でした。GT300のチャンピオン経験者である蒲生選手が、周囲も認める天性の速さを武器に、今シーズンのタイトル争いを盛り上げてくれるはずです。
埼玉GREEN BRAVEのエースドライバーとして、スーパーGTやSUPER耐久でも活躍する吉田選手。チームがGR86/BRZ Cupでの活動を終了したため、今シーズンはGR Garage 浦和美園として戦います。新チームについて「僕の地元のGR Garage熊本中央ともタッグを組んで、これまで自分たちがこのGR86/BRZ Cupで得てきたノウハウを熊本側に共有して、これまで以上に一般のお客様に近いポジションで参戦します」と語ります。昨年までの体制を継続できればタイトルも狙えるという強い自信から、新チームを立ち上げた吉田選手。その想いを結果に換えることができるか、期待が高まります。
元86/BRZレーサー(実は2013年初代ポールシッター)。
2024年BMW&MINI Racingレースディレクター。
今シーズンは、2年ぶりにS耐に新菱レーシングより復帰します。