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Formula Drift JAPAN 2023 Report
Rd.5 GRAN SNOW OKUIBUKI 8/19~20/2023
走りの影の立役者
スポッター・小林竜也
ドリフト特有のシステム・スポッターとは
・走りを俯瞰から見てドライバーにアドバイスをするチームスタッフ
・スポッターの的確なアドバイスが高得点の鍵になる
審査基準がより細分化された
現代ドリフト競技
ドリフトは豪快にタイヤを滑らせて、煙を上げながら走行する競技で、その迫力ある走りが観客を魅了する。一般的なレースやタイムアタックとは、また違ったエンターテインメント性が魅力だ。
単純にタイヤを滑らせて走ることがカッコいいとされていたドリフト創成期を経て、現代ドリフトは、さらにレベルの高い技術が要求される。草場が参戦するフォーミュラDジャパンではライン、アングル、スタイルの3つ審査基準が設けられており、ラインは走行した軌跡、アングルはドリフト時の角度、スタイルは音や煙、全開率などの迫力をそれぞれ審査する。いわばフィギュアスケートや、スキージャンプ競技のような得点方式だ。
フォーミュラDではライン30点、アングル30点、スタイル40点が満点の、100点制で採点され、採点結果によって予選の単走順位が決められる。ちなみに、この3つの得点はそれぞれ異なる審査員が採点している。
それぞれの審査基準でいかに高い得点を獲得するかが上位進出の鍵となる。豪快でカッコいい走りであればOKという判定は過去の話だ。
高得点を獲得するために重要なのが、高い精度でゾーンをトレースし、アングルを安定させるためのアドバイスをするスポッターの存在だ。
スポッターは審査席の隣に設けられた専用席から走りを見て、無線でドライバーにアドバイスを送る。ドライバーからはゾーンをトレースしているように見えても、スポッターから見るとゾーンから外れているということがよくある。そういった場合にドライバーにアドバイスを送るわけだ。
草場のスポッターを勤めるのは、昨年からタッグを組む”ライス”こと小林竜也。
ちなみにライスという愛称は、アメリカで日本車カスタムのスタイルを、お米とレーサーを掛けた「RICER」と呼ぶことからきている。
「ライスは、本当に良い人なんです。いつも『草場さんカッコいいです!』と言ってくれるのですが、僕としてはもっとズバズバ言ってくれてた方がいいんですけどね」と草場は言う。
草場は優しいライスに、ときに必要となる「ラインから30cm離れている!」「振り出しが甘い!」というような厳しいアドバイスを求める。
「俯瞰から見て、走りがどうなっているかを率直に伝えるように心掛けています。他の選手の走りを見たうえで、今日はどういった走りがより評価されるのか、どういった走りで得点を取りにくいのかを伝えています。たとえば、『スタイルの点差が付きやすいので、思い切って振り出しましょう』といった感じです。もちろん、クルマにできる限界はあるので、無茶言うなよ!ということもあるかもしれませんが、そういった点も含めてズバズバ言って欲しいと草場選手にはいつも言われています」とライス。
一般のレースでもチームからドライバーへレース展開を伝える無線は入る。アメリカのNASCARなどオーバルコースで行われる競技にもスポッターは存在するが、メインの役割は「アウト側にクルマがいるぞ」など、マシンの死角の状況を伝えることなので、ドリフトのスポッターの役割とは少し異なる。具体的な走行ラインや角度についてまでアドバイスを送るのはドリフトならではだ。
つまり現代のドリフトはドライバーとスポッターの二人三脚で戦っていると言える。
さらにライスが続ける。
「ドライバーに気持ちよく走ってもらえることも意識しています。ときにはナーバスになることもあると思いますが、そんな時も、とにかく気持ちよく走ってもらいたい。ドライバーの気持ちもドリフトに現れるので、アドバイスを送る際には気をつけていますね」
ラインを数センチという単位で修正し、それにあわせて速度と角度を上げていく。
スポッターから送られる指示を、いかに的確に理解し、いかに修正していけるかが、現代のドリフトに求められる重要な要素になる。
これを可能にするのが、草場の高い対応力、スポッター・ライスとのコミュニケーション、そして、タフな走りを何度もできる耐久力とグリップ力を備えるPOTENZA RE-71RSとPOTENZA RW007だ。
今シーズン、毎戦予選を突破し、上位に進出する草場だが、『最後のひと押し』が欲しいという。
「これまでよりも、さらなる得点アップを」。
この『最後のひと押し』を叶えるためにも、スポッター・小林竜也の存在が欠かせない。
次戦は10月7-8日に岡山県の岡山国際サーキットにて開催されます。
POTENZAの活躍にご期待ください。
#77 Team Cusco Racing GR86 草場佑介 | |
予選11位 | 86点(ライン27点、アングル27点、スタイル32点) |
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TOP32 | 水谷 大地戦 敗退 |
Result | 総合結果21位 |