新品タイヤ交換時の慣らし走行とは?必要性とやり方を解説
新品タイヤの慣らし走行とは、タイヤの性能を発揮したり、走行感覚に慣れたりするために必要です。この記事では、慣らし走行の必要性ややり方、その後の点検の重要性について解説します。

新品タイヤの性能を十分に発揮し、安全性を確保するためには、交換後の慣らし走行が欠かせません。

この記事では、慣らし走行の必要性や方法について、詳しく解説します。

新品タイヤ交換時の慣らし走行とは?その必要性

タイヤの慣らし走行とは、新品のタイヤの表皮(表面層)を走行によってとるプロセスのことで、「タイヤの皮むき」とも呼ばれます。新品タイヤに交換したあとは、すぐに通常の走行をするのではなく、段階的に慣らしていく期間が必要です。

慣らし走行が必要な理由は、以下のとおりです。

  • 必要性1.タイヤ本来の性能を発揮させるため
  • 必要性2.タイヤを長持ちさせるため
  • 必要性3.タイヤの走行感覚に慣れさせるため

ここでは、上記の必要性について詳しく解説します。

必要性1.タイヤ本来の性能を発揮させるため

新品タイヤの表面には、製造過程で使用される離型剤(型からタイヤを剥がしやすくするための薬剤)や、化学物質が付着しています。これらの物質は、タイヤのグリップ力を低下させる原因となるため、慣らし走行によって除去することをお勧めします。慣らし走行を行わず通常走行をすると、タイヤ本来の性能が発揮されず、安全性が低下する可能性があります。

必要性2.タイヤを長持ちさせるため

新品タイヤを慣らし走行すると、タイヤ内部の構造が徐々になじみ、わずかに膨張してタイヤとリム(ホイールの接合部分)の密着が向上します。その結果、タイヤの耐久性や故障耐性を高める効果があるのです。

一方、新品タイヤを慣らし走行しないまま過酷な条件で使用すると、タイヤ内部の各部品が適切に馴染む前に過度な負荷がかかることで、寿命が縮まってしまうのです。

タイヤの寿命を延ばし、安全に長く使用するためには、最初に適切な慣らし走行を行うことが肝心です。

必要性3.タイヤの走行感覚に慣れさせるため

タイヤは、メーカーや種類によって性能に違いがあります。そのため、新品のタイヤに交換した直後は、乗り心地やハンドリングの感覚の変化に戸惑う可能性があります。例えば、運動性能を重視したスポーツタイヤはグリップ力が高いため、カーブやブレーキ時の反応が過敏に感じられるかもしれません。

また、タイヤの剛性やトレッドパターンの違いによって、路面から伝わる振動や走行時の騒音も変化します。たとえ微妙な走行感覚の違いでも、視界が悪くなり滑りやすくなる雨天時や、少しの操作ミスが重大な事故につながりやすい高速道路での運転では、大きな影響を及ぼします。

新しいタイヤの特性に少しずつ慣れ、安全に運転するために、慣らし走行は重要です。

慣らし走行のやり方

慣らし走行を効果的に行うには、適切な距離と速度、そして走行場所を選ぶことが大切です。無計画に走行するのではなく、タイヤの種類に応じた条件を理解し、段階的に慣らすことで、タイヤの性能を最大限に引き出せます。

ここでは、具体的な慣らし走行の方法について詳しく見ていきましょう。

距離と速度の目安

慣らし走行の距離と速度の目安は、夏タイヤ(サマータイヤ・ノーマルタイヤ)と冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)で変わります。

タイヤ 走行速度 走行距離
夏タイヤ
(サマータイヤ・ノーマルタイヤ)
80km/h以下 100km以上
タイヤ
(スタッドレスタイヤ)
60km/h以下 200km以上

特に、スタッドレスタイヤは低速かつ長距離の慣らし走行が必要で、最低でも3時間以上の時間を要します。

タイヤ本来の性能が十分に発揮される前に積雪路・凍結路を走行すると、本来の性能を引き出すことができないため、積雪や凍結が始まる前に交換し、余裕をもって慣らし走行を行いましょう。

走行場所

慣らし走行は、以下のような一般道路が適しています。

  • 交通量が少ない
  • スピードを抑えやすい
  • 信号が少なく一定の速度で走行できる直線的なルート

慣らし走行を終えたあとの点検も大切

新品タイヤの慣らし走行を終えたあとも、タイヤを長持ちさせ、安全なカーライフを送るためには日々の点検が欠かせません。

具体的には、空気圧や溝の残り具合、偏摩耗の有無、ひび割れなどを定期的にチェックしましょう。これにより、タイヤの性能を維持し、思わぬトラブルを防げます。

まとめ

新品タイヤの慣らし走行は、安全で快適なドライブを実現するために重要です。適切な慣らし走行を行うことで、「タイヤ本来の性能を発揮させる」「タイヤを長持ちさせる」「タイヤの走行感覚に慣れる」という3つの効果が得られます。

夏用タイヤの場合は80km/h以下の速度で最低100km以上、冬用タイヤの場合は60km/h以下の速度で200km以上を目安に慣らし走行を行いましょう。また、タイヤを長く安全に使うには、慣らし走行後の定期的な点検も大切です。

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