タイヤは、車の安全走行に欠かせない重要な部品ですが、使用とともに劣化し、ひび割れが発生することがあります。ひび割れの程度によっては、走行に危険を伴う場合もあるため、点検や交換などの対処が必要です。
本記事では、タイヤのひび割れについて詳しく解説します。ひび割れが発生する箇所や原因、交換の目安、予防策などを知ることで、安全なカーライフを送るための知識を身につけましょう。
タイヤのひび割れとは
タイヤのひび割れとは、タイヤに生じる亀裂のことで、「クラック」とも呼ばれています。
タイヤはゴム製品なので、その特性上、使い方や保管方法などによって、ひび割れが発生することがあるのです。
タイヤのひび割れが発生する箇所
ひび割れは、タイヤが地面に接地する部分(トレッド部)や、タイヤの側面(サイドウォール)、ショルダー部、ビード部に発生します。


タイヤ側面のひび割れは交換すべき?放置する危険性や予防法を解説
ひび割れしたタイヤを交換する判断基準や要因・予防法を紹介します。
ひび割れたタイヤで走っても大丈夫?
タイヤにひび割れが発生したからといって、ただちに交換が必要というわけではありません。しかし、コードに達するひび割れを放置して走行を続けた場合、タイヤのバースト(破裂)を起こし、それを起因とする事故を引き起こす危険性があります。
バーストとは、タイヤが突然破裂する現象のことです。とくに高速走行中に発生しやすく、2023年度における高速道路でのJAFの出動理由のうち、四輪車に関して最も多かったのは「タイヤのパンク・バースト・エアー圧不足」でした(※)。
タイヤは車が路面と接している唯一の部品です。もし走行中にバーストが発生すれば、車両のコントロールを失い、追突事故などの二次災害を誘発する危険性も高まります。
このように、コードに達するほどのひび割れを放置することは、自身や同乗者だけでなく、周囲の車を巻き込む事故を招く恐れがあります。日常点検で確認しながら、必要に応じて交換を検討することが必要です。

タイヤのひび割れは交換時期を知らせるサイン?放置する危険性とは
タイヤのひび割れと交換時期について詳しく解説します。
交換のサインとなるひび割れのレベル
上述のとおり、タイヤのひび割れは即交換になるものではありません。交換の判断基準となるのは、ひび割れがタイヤのコードに達しているかどうかです。
コードとはタイヤの骨格を形成する部分を指します。参考として、下図のようなひび割れなら継続使用は可能です。ただし、図のようなひび割れでもコードに達していることもありますので、判断が付かない場合はタイヤ専門店などに確認してもらいましょう。

ひび割れのレベルについて詳しくは「一般社団法人 日本自動車タイヤ協会」の資料をご覧ください。
https://www.jatma.or.jp/tyre_psd/safenews72.pdfタイヤのひび割れが起こる原因と予防策
下表は、タイヤのひび割れの原因と予防策を一覧にまとめたものです。
タイヤがひび割れる原因 | 予防策 |
---|---|
空気圧の不足や過負荷 |
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過度な洗車・タイヤに有害なつやだし剤等の使用 |
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劣化しやすい場所での使用・保管 |
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車の使用頻度が低い |
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タイヤのひび割れを防止する方法は?要因についても解説
タイヤのひび割れが起こる主な要因と効果的な防止策を説明します。
タイヤのひび割れに関するよくある疑問
ここでは、タイヤのひび割れに関して、よく寄せられる疑問と、その回答をあわせて紹介します。
タイヤのひび割れは補修できる?
タイヤのひび割れは、一般的に補修が難しいとされています。
しかし、ひび割れが進行する原因を理解し、適切な対策を取ることでその進行を防ぐことは可能です。
ひび割れの車検に通る許容範囲はどれくらい?
具体的なひび割れの許容範囲を示した車検基準はありませんが、「亀裂、コード層の露出等著しい破損のないものであること」が求められています。
つまり、深い亀裂や損傷、コードが露出している場合は車検に通らない可能性があります。車検を控えている方は、タイヤの状態をしっかりと確認しておきましょう。
まとめ
タイヤにひび割れがあっても、内部のコードに達していなければ引き続き使用できます。しかし、使用を続けるなかでひび割れが拡大する可能性があるため、定期的な点検が欠かせません。
コードに達するようなひび割れを放置すると、バーストにつながり、それを伴う事故を引き起こす恐れがあります。ひび割れの原因を理解し、適切な対策を講じることで、安全なカーライフを送るとともに、タイヤの寿命を延ばすことができるでしょう。
もし、愛車に装着されたタイヤのひび割れが問題ないかご自身で判断することに不安がある場合は、ブリヂストンにお気軽にご相談ください。ブリヂストンでは点検や、店舗での対面相談・オンライン相談を行っています。
安全運転のためにも、タイヤの状態には常に注意を払い、適切なメンテナンスを心がけましょう。

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