低燃費タイヤの条件
グレーディングシステムに基づき、転がり抵抗性能が「AAA」「AA」「A」、ウェットグリップ性能がd以上のものが低燃費タイヤに該当します。
転がり抵抗性能が「B」「C」、また安全性の面からも、ウェットグリップ性能がdに満たない場合も低燃費タイヤには該当しません。
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グレーディングシステム(等級制度)
転がり抵抗性能
- 転がり抵抗:
- 走行中にタイヤが損失してしまうエネルギー
- 転がり抵抗係数:
- タイヤの荷重に対する転がり抵抗の比率
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ウェットグリップ性能
路面が濡れた状態でのタイヤのグリップ力(制動時のグリップ力など)
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グレーディングシステム(等級制度)はラベリング制度により一目でわかるようになっています。
ラベリング制度は、グレーディングシステムに基づき、「転がり抵抗性能」と「ウェットグリップ性能」の等級分けを行ない、ラベル表示するものです。お客様に対して適切な情報提供をするために、JATMA(一般社団法人日本自動車タイヤ協会)が、2010年より業界自主基準として策定しました。
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ラベル表示例とその見方
低燃費タイヤの場合
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この表示があるタイヤは、転がり抵抗性能が"AAグレード"ウェットグリップ性能が"cグレード"
→基準を満たしているので低燃費タイヤとなります。
低燃費タイヤでない場合
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この表示があるタイヤは、転がり抵抗性能が"Bグレード"ウェットグリップ性能が"bグレード"
→転がり抵抗が基準を満たしていないので低燃費タイヤには該当せず「低燃費タイヤ」マークは付きません。
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転がり抵抗性能が"Cグレード未満"、ウェットグリップ性能が"dグレード未満"の場合、グレーディングシステムの等級に適合しないため、対象外となります。転がり抵抗性能、ウェットグリップ性能のどちらか片方が等級に適合しない場合も、同様に対象外となります。
燃費改善に貢献
転がり抵抗のグレードが1つ上がると、燃費が約1%程度改善されると推計されます。例えば、転がり抵抗がCグレードのタイヤからAAAグレードのエコピアに替えた場合、燃費が約4%改善されます。燃費改善により、製品使用時のCO2排出量削減に貢献できます。
※タイヤ公正取引協議会の実証試験(※転がり抵抗の係数の変化と燃費の変化の関係性をJC08モードにより実証) によれば、自動車燃費への寄与率は10%(一般的には市街地走行で7~10%)とされています。走行モードや使用条件(運転方法、路面の状況など)等により異なりますので一概にお答えすることはできませんが、1グレード良くなると、1%程度改善されると推計されます。
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注記
- 転がり抵抗とは走行中にタイヤが損失するエネルギーであり、転がり抵抗係数はタイヤへの荷重に対する転がり抵抗の比率です。
- 転がり抵抗係数はJIS D4234:2009(ISO28580)を用いて測定しています。
- ウェットグリップ性能は路面が濡れた状態でのタイヤのグリップ力(制動時のグリップ力)であり、EU規則Wet Gripグレーディング試験法(案)(TEST METHOD FOR TYRE WET GRIP GRADING(C1 TYRES))を用いて測定しています。
- 転がり抵抗及びウェットグリップ性能は、空気圧や溝深さ、及び使用条件等によって異なります。
- タイヤの転がり抵抗の低減は、一般的には車両燃費の改善に寄与しますが、その低減幅は実車燃費の改善率を示すものではありません。
(2023年1月更新)