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初登場のPCA GR86や新型AT搭載のPCA GR YARISによる挑戦など、PCAチームは話題満載。早朝に雪の舞う天候に翻弄されベストな状況でのアタックは叶わなかったものの、満足のいくタイムでPOTENZA RE-12D TYPE Aの優れた性能を印象づけた。
心待ちにしていたこの日がやってきた。2024年から2025年にかけてのタイムアタックシーズンの先陣を切るイベント“REVSPEED筑波スーパーバトル”が、2024年12月19日に開催。名だたるチューナーやパーツメーカーがデモカーを筑波サーキット コース2000で走らせ、定めた目標に向かってタイムを刻む。PCAチームは、POTENZAのストリートラジアルを装着し、このイベントでめざましい結果を残すべく挑戦を続けてきのである。
今回はプロジェクトを牽引すべく新たに投入されたPCA GR86と、新開発の高性能スポーツ8速AT「GR-DAT」を搭載する後期型ベースのPCA GR YARISがイベントデビューを飾った。さらに2015年の初エントリーから毎年のように記録を塗り替えてきたPCA 86と、熟成の進むPCA Fairlady Zのあわせて4台がエントリー。いずれも「POTENZA RE-12D TYPE A」を装着し、PCA GR YARISは佐々木雅弘選手、そのほかの3台は蒲生尚弥選手がステアリングを握った。
降雪・降雨による路面状況を鑑みて、1回目のアタックがキャンセルとなる難しいコースコンディションと進行のなか、初見参のPCA GR86とPCA GR YARISは予想を上回る好タイムをマーク。PCA86、PCA Fairlady Zも自己ベストに迫り、今後の活躍に期待を抱かせる結果を残した。
スーパーバトル終了後、POTENZAの開発に携わり、PCAの活動でも重要な役割を担うレーシングドライバー 佐々木雅弘選手は、筑波サーキットにおけるタイムアタックの意義についてこう語った。「筑波サーキットは全長2kmほどのコンパクトなコースですが、ヘアピン、高速コーナー、ストレートなど多彩な要素が盛り込まれ、さまざまな自動車メーカーやタイヤメーカーがテストで使用しています。そして走行会やタイムアタックなどのイベントが数多く開催され、たくさんの方々がこの場所で切磋琢磨しています。このように多くのモータースポーツファンが注目し、タイムアタックの聖地として世界的に知られる筑波サーキットで、目覚ましいタイムを刻むことには大きな意味があります」。
さらに佐々木選手は続ける。「PCAはこのサーキットでスーパーバトル等に挑み、記録したタイムをタイヤの進化を見定めるひとつの指標としています。PCAのマシンは市販ラジアルを装着し、大幅な軽量化をせず誰もが真似できる仕様で走っています。そのチャレンジの結果と過程は、一般のドライバー、そしてPOTENZAファンの指標ともなり、共感を得るものとなっているはず。PCAはタイヤの進化において大きな影響力を持っているだけでなく、モータースポーツの楽しさを広め、より深めていく役目も担っており、そこにPCAがチャレンジを続けていく意義があるのです」。PCAチームは、それぞれがこのような熱い思いを胸に秘め、筑波スーパーバトルを戦っているのである。

新たなチャレンジでPOTENZAの可能性を追求。
進化し続けるPCA
万事休す。まだ夜が明けきらない薄明かりの道を、筑波サーキットに向かうエントラントは誰もがそう思ったことだろう。当日は快晴という天気予報を大きく裏切り、早朝から雪。その後雨に変わり一気に晴れるという猫の目のように変わる空模様となった。タイムアタックは各グループとも3回のセッションが設けられており、1回目は午前8:00のスタートを予定。しかし路面状況が悪くキャンセルとなり、午前11時35分と午後1時10分からの2回のセッションのみに変更となった。最も好タイムが期待できる1回目に走れないのは残念だが、チームは2本のアタックに集中し準備を進める。
実質的に最初のセッションとなる2回目は予定どおり始まったが、最初に登場するはずだったPCA 86は、500馬力を優に超えるFRマシンということもあり、まだ乾ききっていない路面を考慮して午後に設けられた最終回のみ走行することを決断。まずは蒲生選手がコクピットに収まったPCA Fairlady Zが走行する。タイヤウォーマーを外し、「POTENZA RE-12D TYPE A」が装着されると、いよいよコースイン。気温7℃、路面温度14℃という状況のなか1分00秒138を記録し、PCAチームのチャレンジが始まった。

続いてタイムアタックを行ったのはPCA GR86だ。VARISのエアロでワイドボディ化された姿はじつに迫力がある。FA24 ユニットはHKS GTⅢ-RSタービンを組み合わせ、現状400馬力を発揮。タイヤはもちろん「POTENZA RE-12D TYPE A」を装着し、265/35R18サイズをチョイスする。テスト段階の強化ミッションを搭載するなどさまざまな試みも盛り込まれ開発が進められているが、2024年のPCM!(ポテンザサーキットミーティング!)で各地のショートコースを走行したものの、筑波サーキット コース2000におけるタイムアタックは初めてとなる。
もちろんアタックを任された蒲生選手も、PCA GR86をコース2000で走らせるのは初めて。いよいよセッションが始まったが、マイナートラブルがありいったんピットへ。すぐに再スタートし叩き出したのは、みごと1分切りの59秒909と予想を上回るタイムだった。最終コーナーにオイルが撒かれてしまい、若干コースコンディションに難があったことが悔やまれるが、それでも筑波スーパーバトル初アタックとしては素晴らしい結果と言える。蒲生選手は「POTENZA RE-12D TYPE A」がしっかり性能を発揮したことに満足げだった。

そして最後に初回のセッションに登場したのはPCA GR YARISである。PCA GR86と同じく、筑波スーパーバトルの初アタックだ。エンジンはノーマルのまま。メカニズムはフロントにLSDを組み込み、足回りとマフラーを交換した程度のモディファイで、しかもオートマチックトランスミッション。果たしてどのような結果が得られるのかチームスタッフ全員が固唾をのんで見守るなか、スーパー耐久でも同様のGR-DAT仕様のマシンで参戦する佐々木選手がドライバーを務めコースイン。すると、1分01秒672とこちらも好タイムをマークした。
一方、最終セッションは満を持してPCA 86が登場。自己ベスト更新はならなかったものの57秒916を記録する。そしてPCA GR YARISは初回のタイムを塗り替えられなかったものの、PCA Fairlady Z が1分00秒092、PCA GR86 が59秒697とタイムを縮め、路面温度が上がったコースコンディションでも結果を残しチューンの方向性を見極めることができた。実績を持つマシンのさらなる熟成と新たなチャレンジのスタートが融け合い、PCAは次のステージへと駆け上がろうとしている。「POTENZA」とともにさらなる高みを目指し、挑戦し続ける「POTENZA CIRCUIT ATTACK!」にぜひ注目していただきたい。
- オープンクラス FR部門
PCA86
タイヤ:POTENZA RE-12D TYPE A 265/35R18 - Best Lap
57.916

- ストリートRRクラス FR1部門
PCA Fairlady Z
タイヤ:POTENZA RE-12D TYPE A 285/35R19 - Best Lap
1'00.092

- ストリートRRクラス FR1部門
PCA GR86
タイヤ:POTENZA RE-12D TYPE A 265/35R18 - Best Lap
59.697

- ストリートRRクラス 4WD部門
PCA GR YARIS
タイヤ:POTENZA RE-12D TYPE A 265/35R18 - Best Lap
1'01.672


佐々木雅弘選手
筑波スーパーバトルで走らせたGR YARISは、トヨタが新たに開発した高性能スポーツ8速ATを搭載する後期型で、私が昨シーズンのスーパー耐久シリーズに参戦した、ORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptに近いマシンです。まだまだ開発段階なのですが、ノーマルのGR YARISからのメカニズムの変更点は、スーパー耐久車両と同様の足回りを与え、フロントLSDを取り付けマフラーを交換していることだけです。軽量化は施さず、エンジンもブーストアップせずノーマルのまま。このようなノーマルに近い仕様でどのようなタイムが出せるのか、まずはマニュアルミッション車のパフォーマンスに近づけていく過程において、第一段階というところです。そのような仕様でありながら、1分1秒台をマークすることができました。想像より速いタイムで、この結果に満足しています。DATの可能性をこれまで以上に感じました。ただ、1本目はATモードで走行したのですが、スーパー耐久で走らせているマシンのDATと比べるとシフトチェンジのタイミングに若干のずれを感じました。そこで2本目はMTモードで走りましたが、タイムはほぼ変わりませんでしたね。DATはよくできたシステムだということを実感させられましたが、コンピューターの制御をきめ細かくチューニングして、よりリニアな感触を得られると走りやすいのではないかと思っています。もう少しシフトタイミングを詰めることができれば、もっとおもしろいマシンに仕上がるはずです。今後はECUチューン等によるブーストアップでモアパワーを手に入れ、タイムを縮めていくことになると思いますが、今回のアタックでかなりの手応えがあったので、タイムはどんどんよくなるに違いありません。1分切りはすぐ視野に入ると思いますので、これからの進化にとても期待しています。マニュアルミッションのGR YARISでも感じていましたが、「POTENZA RE-12D TYPE A」は4WDスポーツとの相性がとてもいいですね。4WD車両のリアタイヤは温まりにくいのですが、RE-12D TYPE Aはすぐにグリップが立ち上がり、路面をしっかりと捉えてくれます。DAT GR YARISにおいてもそれは変わらず、自信を持って攻めることができました。

蒲生尚弥選手
今回はPCA Fairlady Zを含めて3台のマシンに乗りましたが、長年タイムアタックを任されてきたPCA 86と初エントリーのPCA GR86の両方で走ることができ、感慨深い一日となりました。PCA GR86は初めて筑波サーキット コース2000でステアリングを握りましたが、とても乗りやすいマシンです。初回のタイムアタックは少しトラブルがあって1周多く走ってからのアタックとなりましたが、アタックラップはうまくまとめることができ、マシンのパフォーマンスは出しきれたと思います。ただ、最終コーナーがオイルで汚れていたのがタイムロスにつながったかもしれません。パワーが400馬力以上出ているFRマシンゆえ、トラクションをしっかりかけるのが難しいかなと想像していましたが、優れたグリップ力を発揮する「POTENZA RE-12D TYPE A」を装着し、安定した走行ができました。2回目はフロントのみレートアップしたスプリングに交換して臨みましたが、私自身が1回目よりマシンに慣れたこともあってタイムアップ。現状では満足のいく結果を出せました。今後に向けての課題も見つかりましたが、それを克服してセッティングを煮詰めていけば、59秒前半はすぐに出せる感触があります。PCA 86は最後のセッションのみ走りましたが、自己ベスト更新とはならなかったものの、いい走りができたと思います。PCA 86はスーパーチャージャー、そしてPCA GR86はターボチャージャーを組み合わせています。PCA GR86は低回転から豊かなトルクをうまく使って走るイメージで、PCA 86は回せば回すだけパワーが絞り出せる印象。走らせ方においては、その部分で多少の差があります。ウィンターシーズンのアタックは、計測1周目からタイムを出すためにタイヤのウォームアップが大事になります。「POTENZA RE-12D TYPE A」は、アウトラップからすぐにステアリングに手応えを感じ、路面の感触が伝わってきます。タイヤからのインフォメーションが豊富だから、安心感がありますね。またこれは様々な状況に素早く対応し、なおかつ次に起こることが予測できることにもつながります。その点においても「POTENZA RE-12D TYPE A」は心強い味方です。

藤岡和広氏
筑波サーキット初参加の2台についてご説明しましょう。開発中のPCA GR YARISは後期型のDAT仕様がベースですが、前期型のマニュアルミッション車での経験を活かしつつ製作しました。ただしメカニズムのモディファイに関しては、コンピューターはそのままでブーストアップもしていません。足回りとマフラーの交換、そしてフロントにLSDを入れていることだけです。この状態で1分1秒672というタイムはかなり速いと思います。足回りの方向性は定まっているので、今後は完成度を高めていき、エアロの装着を視野に入れてカスタムを進めていく予定です。PCA GR86はターボチャージャーを組み合わせてスープアップ。タービンはHKS GTⅢ-RSを組み合わせ、400馬力を発揮しています。以前タイムアタックで活躍したPCA BRZと同様にPOTENZAのタイヤテストにも使用するマシンなので、ミッションクーラーやオイルクーラーも装備。さらにタイヤの進化も相まってパフォーマンスがどんどん向上しているので、安全性や剛性確保を考慮してロールケージも取り付け、また軽量化も実施していないためかなり重いマシンです。コンピューターチューンに関しては、現状では大幅なブーストアップが難しく86よりもハードルが高くなりました。燃調や点火系をきめ細かくセッティングして、パワーを上げていく予定です。GR86はベース車両としてとても魅力的ですね。排気量が2.4リッターへアップし、NAのままでも筑波サーキット コース2000で1分2秒台が出せるほど速い。やはり素性の良さを感じます。今回は59秒台をマークしチューニングの方向性が正しいことを示せましたが、足回りのセッティングを煮詰めていけば、さらなるタイムアップが見えてくると思います。新たな挑戦をスタートさせたこの2台を含め、PCAのマシンはいずれもスプリットアウトしていません。快適装備もそのままで、そこがこだわりのひとつです。いろいろ外して軽くすれば簡単に速くすることができますが、一般のユーザーにそれはなかなか難しいことです。幅広いクルマ好きのお手本になるような速いクルマのつくり方を追求しています。そんなチャレンジに欠かせないのが高性能なタイヤです。今回のスーパーバトルにおいても、「POTENZA RE-12D TYPE A」は安定してパフォーマンスを発揮し、速さを印象づけました。新しいマシンの可能性を確かめることができたタイムアタックとなりましたが、今後のPCAの活躍も楽しみにしていてください。
パフォーマンスを存分に発揮!!
POTENZA装着マシン
REV SPEED 筑波スーパーバトル2024には、PCAの各マシンのほかにも数多くのPOTENZA装着車両が参加しタイムアタックに挑んだ。ここではその中から12台のマシンをピックアップし、POTENZAユーザーのコメントとともに紹介する。POTENZA RE-71RSはもちろんのこと、サーキットアタックで優れた性能を発揮する POTENZA RE-12D TYPE Aを履いたマシンも次々に好タイムをマーク。POTENZA市販ラジアルタイヤのパフォーマンスは、今回の筑波スーパーバトルでも大きな注目を浴びたのである。

- SCREEN & D2 JAPAN
ストリートクラス RRタイヤ FR2部門
TOYOTA GR86 S/C
タイヤ:POTENZA RE-12D TYPE A 265/35R18 - Best Lap
59.823



タイヤの性能をしっかり引き出す
車検対応のストリート仕様
HKSのスーパーチャージャーを組み合わせたエンジンは最高出力350馬力を発揮。足回りやコンピューターセッティング、タイヤの使い方について何度もテストを重ねたという。「きめ細かい調整によりストリート仕様で1分切りを達成しました」と千葉代表。「この結果にはPOTENZA RE-12D TYPE Aが大きく貢献しています。グリップ力を活かせるよう、タイヤにしっかり荷重をかけられる足回りにしました。佐々木選手とともに、タイヤのパフォーマンスを引き出すセッティングに煮詰めていきました」。気温が上がったタイミングでの59秒台は、タイヤとチューナー、ドライビングのすべてがマッチした結果だと教えてくれた。
- REVEL
ストリートEVOクラス RRタイヤ FR部門
TOYOTA GR86 S/C
タイヤ: POTENZA RE-12D TYPE A 265/35R18 - Best Lap
1’00.161



優れたグリップを活かす足回り
さらに煮詰めてタイムアップを狙う
ボアップを施した2.5Lのスーパーチャージャーエンジンを搭載する。渡辺代表は、POTENZA RE-12D TYPE Aに対して「ハイグリップはもちろん、確実にタイムを出せるタイヤという印象です。タイヤの剛性が高く、フィーリングがいいですね」と高評価。タイヤの剛性に合わせて、足回りには硬めのセッティングを施しているという。タイムアタックでは、走行中にエンジンのチェックランプが点灯してしまったそうで、タイムとしてはまだ上が狙えたはずと振り返えった。足回りのほかリアイングなどを筑波サーキット仕様にするなど、車両のバランスを整えてさらに煮詰めていきたいと語ってくれた。
- Rush Factory
ストリートSUPER LIGHTクラス SRタイヤ 4WD部門
NISSAN GT-R
タイヤ: POTENZA RE-71RS 285/35R20 - Best Lap
57.916



ライトチューンで楽しめる足回り
1周のアタックで57秒台を記録
MY15 NISMOをベースに、ショックアブソーバーの交換のほか日産の4WDシステムであるアテーサのコントローラー、ブレーキを変更したのみというライトチューン。セッティングを変更しなくてもそのまま楽しめる、オリジナルのショックアブソーバーがポイントになっていると今村代表は話す。「POTENZA RE-71RSは、ハイパワーでもライトチューンでも乗りやすく扱いやすいですよね。ユーザーにも自信を持っておすすめできます」と教えてくれた。アタックは目標としていた58秒8を上回る57秒台を1周目で記録した。今村代表は、「一般の方が導入しやすいチューンとして、満足のいく結果が出せました」と笑顔だった。
- CUSCO
ストリートEVOクラス RRタイヤ 4WD部門
TOYOTA GR COROLLA
タイヤ:POTENZA RE-12D TYPE A 285/35R19 - Best Lap
1'00.545



軽量化がタイムアップに貢献
潜在能力を引き出してさらに上を狙う
剛性アップやブーストアップなどのライトチューンで挑戦した前年に対し、今回はインタークーラーとカーボンドアを投入。「前回の状態でもバランスが良かった。その上で何をやったらいいかを考え、軽量化に行き着きました」とクスコ製品の市販開発を担当する恵美さん。この軽量化に対して、ドライバーの佐々木雅弘選手も「すんなりタイムアップした」と話す。タイヤはよりタイムアタック向けであること、気温の低さを加味して、温まりの良さが特徴のPOTEZA RE-12D TYPE Aを選択。「軽量化に合わせたセッティングをさらに詰めて、好条件が揃えば59秒台も狙える」と佐々木選手は潜在能力を高く評価した。
- 佐々木雅弘GR86
TOYOTA GR86 TURBO
タイヤ:POTENZA RE-12D TYPEA 235/40R18 - Best Lap
1'00.204



スプリング×純正形状ショックで
手軽に高レベルの走りを実現
ストリートメインで走りを堪能、ときにはサーキットへ。そんな楽しみ方をイメージして佐々木雅弘選手が手がけたGR86。HKSボルトオンターボを装着するが、注目は足回りだ。佐々木選手がプロデュースするGROW Design×HALsprings スポーツサスに、KYBとともに開発中のGROW Designオリジナル 純正形状ショックを組み合わせた。減衰力調整付きだから、普段は快適にスポーツ走行時にしっかり引き締めるといった使い方が可能だが、佐々木選手は「ハイレベルの走りをポン付けで手軽に楽しむこのコンセプトでもPOTENZA RE-12D TYPEAとの相性はいいですね。細部を詰めて1分切りにチャレンジしたいと思っています」と話してくれた。
- Revolution
ストリートEVOクラス RRタイヤ FR部門
TOYOTA GR86
タイヤ:POTENZA RE-12D TYPE A 265/35R18 - Best Lap
59.706



NAエンジンのままながら
200kgの軽量化で1分切り
2.5Lエンジンに換装し、また、ルーフやドア、ボンネットをドライカーボン化することで、約200kgも軽量化している。NAエンジンのため、最高出力は280馬力ながら加速とコーナリングスピードが速く、ターボ化したGR86とタイムに遜色がない。POTENZA RE-12D TYPE Aの性能をより活かすためには、外気温や路面温度に合わせた空気圧などがキーになると青木代表。「空気圧は、ドライバーがコースインをして、アタックするまでの周回を加味しつつ、温間で180kPaあたりを狙いました」。NAで1分切りをしたことは評価しつつも、エンジンに課題があると分かったという。今後は自社製エンジンを搭載して、58秒台前半を目指す。
- R’s
ストリートクラス RRタイヤ FF3部門
SUZUKI SWIFT SPORT
タイヤ:POTENZA RE-12D TYPE A F:235/40R18 R:215/45R17 - Best Lap
1'03.406



タイヤとの相性を徹底的に詰めた
ストリート仕様で1分3秒台をマーク
オリジナルアイテムの開発車両として活用しながら、少しずつ仕様変更して熟成されつつあるが、狙いは誰もが楽しめて、参考にできるクルマとのこと。タイムアタックではPOTEZA RE-12D TYPE A を装着し、1分3秒台前半をマークした。松野代表は「最初の走行時には路面が濡れていたのに、しっかりグリップしていた。一発のタイムを出すならこのタイヤ」と信頼を置く。ドライバーの井口卓人選手は「さらにきめ細かく仕上げていけば、もっとタイムは出せると思う。それでも一般ユーザーが真似できる仕様で、POTENZA RE-12D TYPE Aのグリップも活かせているし、とてもいいタイムですね」とコメントした。
- CUSCO
ストリートクラス RRタイヤ FF3部門
SUZUKI SWIFT SPORT
タイヤ:POTENZA RE-12D TYPE A 225/45R17 - Best Lap
1'04.534



タイヤの接地性をさらに高めた
パワーとグリップのバランスが鍵
スイフトスポーツの定番メニューと言われる足回りやLSD、タイヤをポイントにブラッシュアップを行いつつエンジンはノーマルと、あくまでもライトチューンにこだわりを持つ。そこに、POTEZA RE-12D TYPE Aの性能を活かすべく、リアにスタビバーを追加するなどタイヤの接地性を高めるチューニングを施した。ただそれでも「ロールが出ると車両の電子制御が入ってしまうので、アクセルコントロールに気を使ってアタックした」と山田英二選手。「車両のパワーとPOTENZA RE-12D TYPEAのグリップバランスがセッティングのコツ。コーナリングの速さは素晴らしいものでした」と満足のいくアタックだったようだ。
- Revolution
ストリートLIGHTクラス RRタイヤ 4WD部門
TOYOTA GR YARIS
タイヤ:POTENZA RE-12D TYPE A 265/35R18 - Best Lap
1’00.162



外気温と路面温度に合わせて
空気圧を細かく変更して挑む
コンピューターセッティングと吸排気を中心にモディファイしたブーストアップ仕様で、一般ユーザーが参考にできる内容にまとめている。GR YARISは前後で軸重が異なるとのことで、その日の路面状況に合わせた、空気圧などのセッティングに苦労するという。「POTENZA RE-12D TYPE Aは、構造がしっかりしています。さらに外側がしっかりグリップするようキャンバーをつけていますが、前後で数値を変更。リアをうまく動かせるように、空気圧なども含めて前後のバランスを取ることがポイントでしょうか」と青木代表。2本目の走行では、タイヤの空気圧などの調整がマッチし、この日のベストタイムを記録した。
- EURO LUBRICANTS
ストリートSUPER LIGHTクラス STタイヤ FR2部門
TOYOTA GR 86
タイヤ:POTENZA RE-71RS 235/40R18 - Best Lap
1'03.287



日常使いを重視した仕様ながら
ドライバーも納得の好タイム
ユーロルブリカンツが展開するオイルをテストするための車両で、チューンは車高調を装着した程度。今回のアタックでタイヤはPOTENZA RE-71RSを選んだが、これは車両を日常でも使用するからだそう。「営業車でもあるので、車高も高め。日常での使いやすさを重視しています」と深見代表は話す。ステアリングを握った井口卓人選手は「実は、POTENZA RE-12D TYPE Aでもタイムは1分3秒台前半。今回のPOTENZA RE-71RSでも1分3秒台と、十分にタイムが出ている。RE-71RSはノーマルに近い車両とのマッチングがいいと感じます。バランスが良く、周回を重ねながら楽しめますね」と話してくれた。
- CUSCO
ストリートLIGHTクラス SRタイヤ 4WD部門
HYUNDAI IONIQ 5N
タイヤ:POTENZA RE-71RS 285/35R19 - Best Lap
1'01.609



ウェイトをものともせず
EVチューンの最先端を走る
ダウンサスとタイヤ&ホイール交換程度のチューンで、車重は2.2t。そんなEVが1分1秒台を記録した。長瀬代表は「アプリでトルク配分などを調整できたり、一時的に最大出力をブーストするボタンがあったりと興味深いクルマです。そんなシステムを考慮するとチューンにも幅があっておもしろいですね」と評する。タイヤは、標準が21インチなのに対して19インチを選び、合わせてブレーキの小型化も行った。装着するスポーツタイヤの選択肢を広げるためで、今回はPOTENZA RE-71RSを選択。セッティングにまだ課題があるとは言うものの、今回から始まったクスコのアイオニック5Nでの挑戦は、大きな進化の余地を秘めている。