Motor Sports / Time Attack > TOYOTA GR86/BRZ Race 2023 Report > 開幕戦の表彰台をPOTENZA RE-09Dユーザーが独占
Vol.01
POTENZAは、2023シーズンのTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupを戦うために、昨年投入したRE-09Dをアップデート。
迎えた宮城県スポーツランドSUGOでの開幕戦では、予選からバージョンアップしたPOTENZA RE-09Dを装着する車両がフロントローを独占しました。決勝でも#293 岡本大地選手(POTENZA)のポールトゥウィンを筆頭に、#7 堤 優威選手(POTENZA)が2位表彰台、BRZドライバーの#88 井口卓人選手(POTENZA)が3位表彰台をそれぞれ獲得し、RE-09Dユーザーが表彰台を独占しました。
また、#34 佐々木 雅弘選手(POTENZA)の4位入賞をはじめ、トップ10台のうち8台をRE-09Dユーザーが占め、RE-09Dがその優れた走行性能を遺憾無く発揮する結果となりました。
今回は、このバージョンアップされたRE-09Dの性能と魅力について、開発ドライバーの佐々木選手、昨年からコンスタントに好成績を残している堤選手、そして、今シーズンもBRZドライバーとして走る井口選手ら3名のドライバーの言葉とともにご紹介します。
昨シーズン終盤に投入されたPOTENZA RE-09Dですが、GR86とBRZの走りの進化に合わせるべくさらなるアップデートが施されました。
昨年までのモデルと比べて、路面との接地性、そしてウォームアップ性能が改善されました。
金曜日の練習走行で全体のトップタイムを記録し、決勝では5番グリッドから3位へポジションをあげた井口選手は、今回のアップデートについてこう語ります。
「金曜日に初めてこのタイヤで走行したのですが、最初の走行からフィーリングがよく、タイヤがグリップする際のしっかり感がより上がったと感じました。今回は、手元のデータが少ない中での走行でしたが、今後タイヤの熱の入れ方をさらに詰めて行くことで、より良いタイムが出せると思います」
バージョンアップされたRE-09Dでは、より均一な接地性を目指して、タイヤのクラウン(接地面の)形状がさらに丸みをおびた形に最適化されました。これにより、昨年以上にグリップを引き出すことが可能となりました。
予選ではトップとコンマ025秒差の1'35.462という2番手タイムを記録し、決勝では昨年の鈴鹿戦から3大会連続の表彰台獲得となる2位でチェッカーを受けた堤選手は、改善されたウォームアップ性能を予選から実感したといいます。
「予選ではピットレーンを出てすぐにグリップの手応えを感じたので、タイヤを信頼して走ることができて、ほぼミスなくアタックできました。今後は内圧の調整などをしっかりと見直して、トラクションの高さをさらに引き出していきたいです」
今シーズンのRE-09Dは、トップゴム(表面のゴム)の温度依存性が軽減されたことで、低温時のウォームアップ性がより改善されました。
両ドライバーともに、RE-09Dのアップデートされたポイントをしっかりと実感しただけでなく、さらなる可能性についても言及している点に、RE-09Dのポテンシャルの高さが伺えます。
一方、佐々木選手は開発ドライバーならでは主眼で語ってくれました。
「今回、トップ4までをRE-09Dユーザーで独占することができたことで、昨シーズンから課題となっていた低温時のウォームアップ性能、そしてリアタイヤの接地性が改善されたことが証明できたのではないでしょうか。
さらに予選・決勝を通して、ロング性能・タレの少ないタイヤという部分も、昨シーズンまでのレベルから、さらに一段高いところへ引き上げることができた点も良かったと思います。
開発ドライバーとしては、課題を克服することはもちろんですが、これまでの強みを損なうことなく、むしろワンステップ進めることができて、課題と強み、その両方を強化できた点が一番嬉しいですね。
さらに、これまでは他メーカーのタイヤで参戦することが多かった岡本選手がポール・トゥ・ウィンを飾ったことで、クセのない、どんなドライバーにも扱いやすいタイヤだという点も証明できたと思います。
個人的にも、今シーズンはマシンの調子も良いので、優勝してRE-09Dのポテンシャルの高さを証明したいです。」
これまでの強みはさらにレベルアップし、課題であったウォームアップ性能とリアのグリップが改善されたことで、今シーズンのGR86/BRZ Cupでは、RE-09Dユーザー同士のよりハイレベルなバトルが期待されます。
GR86/BRZ Cupという舞台で、マシン、そしてドライバーとともに進化を続けるPOTENZAの今季の走りに、ぜひ注目してください。
元86/BRZレーサー(実は2013年初代ポールシッター)。
2023年BMW&MINI Racingレースディレクター。
画像は、ブリヂストンタイヤとなった富士24時間レース2023表彰台。
#6 新菱オートDIXCEL夢住まい館エボ10をドライブした。