Motor Sports / Time Attack > TOYOTA GR86/BRZ Race 2022 Report > POTENZAとともにGR86/BRZ Cupを戦ったドライバーたち
Vol.05
新型86/BRZへの車両変更に伴いレギュレーションも刷新され、全5大会6戦と例年よりも短い大会期間の中で争われたGR86/BRZ Cup 2022。
そんな特異なシーズンにおいても、POTENZAは僅かな開発期間でニュータイヤPOTENZA RE-08DとPOTENZA RE-09Dをリリースし、GR86と新型BRZの走りを進化させました。
鈴鹿での第4戦より投入されたRE-09Dは、POTENZAの進化を表彰台独占という形で見事に証明し、終盤のGR86/BRZ Cupを大いに盛り上げました。
また、プロフェッショナルシリーズを戦うドライバーたちもまたGR86と新型BRZの走りを、ドライビング/セッティング両面から進化させ、各地のサーキットで熱い走りを展開しました。
今回は、POTENZAとともにGR86/BRZ Cupを戦ったドライバーたちの2022シーズンを本人のコメントを交えて振り返ります。
アマチュアドライバーながら初年度よりプロとの真剣勝負に挑戦し続けている井上選手。これまでに蓄積してきたノウハウがリセットされた状況に、なんとか勝機を見出したかった今シーズンでしたが、やはりプロドライバーたちの壁は高かったようです。しかし、開幕戦では4秒近くあったトップとのタイム差を、最終戦で1秒にまで縮めたその実力は、アマチュアドライバーとして大いに賞賛できるものだったと思います。
Rd.01 | Rd.02 | Rd.03 | Rd.04 | Rd.05 | Rd.06 |
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29 位(34) | 31 位(36) | 22 位(27) | 24 位(29) | 19 位(27) | 24 位(29) |
()内は予選の順位です。 |
開幕戦から周囲を驚かせる速さを見せていた堤選手。天候に翻弄された前半戦は、予選で本来の力を発揮するまでには至りませんでしたが、今シーズン、RE-08DそしてRE-09Dのポテンシャルを誰よりも引き出したドライバーだと言えます。十勝の占有走行でクラッシュし、マシンを大破させるという試練に見舞われたものの、後半戦に向けてマシンを用意してくれたチームの想いに応える形で、鈴鹿、そして岡山で優勝を果たしました。マシンセッティング、ドライビング、そして逆境をバネにさらなる飛躍をとげた堤選手は、来季チャンピオン候補の筆頭に挙げられるでしょう。
Rd.01 | Rd.02 | Rd.03 | Rd.04 | Rd.05 | Rd.06 |
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9 位(23) | 5 位(8) | - | 1 位(2) | 7 位(11) | 1 位(8) |
2 p | 9 p | - | 20 p | 4 p | 20 p |
シリーズランキング 2位 55p | |||||
()内は予選の順位です。 |
TOYOTA GAZOO RACINGアンバサダーとして、参加型レース、そしてモータスポーツ全体を盛り上げるためにGR86/BRZ Cupに参戦している脇阪選手。GR86には昨年までの86に詰め込まれていたドライビングの楽しみが余すところなく踏襲されており、スムーズに新型マシンに移行することができたと語ってくれました。また、さらなる進化を遂げたRE-09Dには、これまでに数々のPOTENZAタイヤの開発に携わってきた彼だからこそ感じることができる「POTENZAの走り」を感じたと満足な表情を見せてくれました。
Rd.01 | Rd.02 | Rd.03 | Rd.04 | Rd.05 | Rd.06 |
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20 位(25) | 20 位(27) | 18 位(26) | 9 位(10) | 13 位(20) | 12 位(18) |
0 p | 0 p | 0 p | 2 p | 0 p | 0 p |
シリーズランキング 22位 2p | |||||
()内は予選の順位です。 |
これまでは、別カテゴリーのレーススケジュールとの兼ね合いで、スポット参戦という形をとっていた中山選手。今シーズンは、待望のフル参戦とあって周囲の期待も高まっていました。開幕戦では、決勝で5台をオーバーテイクして6位フィニッシュと上々のスタートを切りましたが、その後はマシンの不調にも悩まされ、彼本来の走りを見せることができないもどかしいレースが続きました。しかし、最終戦ではレースの流れを的確に捕らえた走りでポイントを獲得し、その実力を披露してくれました。
Rd.01 | Rd.02 | Rd.03 | Rd.04 | Rd.05 | Rd.06 |
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6 位(12) | 18 位(25) | 15 位(23) | - 位(27) | 28 位(19) | 8 位(10) |
6 p | 0 p | 0 p | 0 p | 0 p | 3 p |
シリーズランキング 16位 9p | |||||
()内は予選の順位です。 |
今シーズンはドライバーとしては周囲の期待に応えられなかったと悔しい表情で語った佐々木選手。しかし、自身が開発に携わったマシン、タイヤ、そしてホイールによって新たにGR86/BRZ Cupとして生まれ変わったレースを大いに盛り上げてくれました。鈴鹿でのRE-09DとRW007ユーザーの表彰台独占は、開発者としての彼の功績だと言えるでしょう。また、今シーズン、トップ10の顔ぶれが1戦ごとに目まぐるしく変わるシリーズ争いにおいてもしっかりと存在感を示していたのは、常に前へと突き進む彼の姿勢がもたらした成果だと言えるでしょう。
Rd.01 | Rd.02 | Rd.03 | Rd.04 | Rd.05 | Rd.06 |
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10 位(20) | 13 位(22) | 7 位(9) | 18 位(25) | 4 位(8) | 7 位(16) |
1 p | 0 p | 4 p | 0 p | 10 p | 4 p |
シリーズランキング 9位 19p | |||||
()内は予選の順位です。 |
クラブマンからのステップアップ2年目となった鶴賀選手。ゼロスタートとなった今シーズンは、彼にとってトッププロドライバーとの差を冷静に見極める転機となったようです。これまでの自身のドライビングを根本から見直し、さらに前を走るプロドライバーたちの走りをしっかりと観察することで、「自分が本当は理解できていなかった部分」を発見したと言います。この新たな発見が、彼の今後の活躍に繋がることは間違いないでしょう。
Rd.01 | Rd.02 | Rd.03 | Rd.04 | Rd.05 | Rd.06 |
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26 位(29) | 27 位(31) | - | 19 位(17) | 18 位(24) | 21 位(14) |
()内は予選の順位です。 |
今シーズンは、3大会4戦のみの参戦ながら、各サーキットでその天性の速さを見せてくれた蒲生選手。短いシーズンながらも、チームとともにマシンのセッティングをまとめ上げ、2レース開催となった地元岡山での最終戦では、ベストタイム・セカンドタイムともに6番手タイムを記録し、その安定した速さを披露しました。迎えた決勝レースでも確実にポジションをあげ、チームとともに進化させたその速さを、ポイント獲得という形で証明。来シーズンにつながる走りを見せてくれました。
Rd.01 | Rd.02 | Rd.03 | Rd.04 | Rd.05 | Rd.06 | |||||
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13 位(16) | - (9) | - | - | 5 位(6) | 4 位(6) | |||||
0p | 0p | - | - | 8 p | 10p | |||||
シリーズランキング 11位 18p | ||||||||||
()内は予選の順位です。 |
今シーズンよりPOTENZAが誇る高剛性ホイールRW007を使用する吉田選手。開幕戦から速さの片鱗を見せると、シーズン終盤にはニュータイヤRE-09Dとチームのマシンセッティングがしっかりと共鳴し、その勢いを加速。鈴鹿サーキットでの第4戦で2位表彰台を獲得すると、最終戦の岡山大会では、自身の初優勝を見事なポールトゥウィンで飾りました。タイヤとホイールの剛性を勝負どころで活かした彼の走りは、後半戦の決勝レースを大いに盛り上げてくれました。
Rd.01 | Rd.02 | Rd.03 | Rd.04 | Rd.05 | Rd.06 |
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8 位(13) | 9 位(12) | 20 位(24) | 2 位(4) | 1 位(1) | 5 位(5) |
3p | 2p | 0p | 15 p | 22 p | 8p |
シリーズランキング 3位 50p | |||||
()内は予選の順位です。 |
昨シーズン、クラブマンエキスパートクラスでシリーズランキング2位を獲得した花里選手。エンドレス製品の開発を担う彼のプロフェッショナルシリーズ初挑戦は、その高い壁に苦しむシーズンとなりましたが、毎レース後に自身の走りをしっかりとセルフフィードバックしていました。その真摯な取り組みは、来シーズンの彼のリザルトと、彼が手がける製品の進化に繋がるでしょう。
Rd.01 | Rd.02 | Rd.03 | Rd.04 | Rd.05 | Rd.06 |
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31 位(30) | 24 位(21) | - | - | 23 位(29) | 23 位(26) |
()内は予選の順位です。 |
BRZドライバーとしてただひとりシリーズチャンピオンの称号をもつ凜太郎選手。今シーズンは、新たにチームRECAROの一員としてGR86/BRZ Cupに参戦。長年ともに戦ってきた井口選手と再びチームメイトとなりました。新たなチームでも、明るい性格で周囲の雰囲気を盛り上げる凜太郎節は健在。レースでは井口選手をはじめとしたチームメイトとともにBRZの速さを確実に進化させていました。
Rd.01 | Rd.02 | Rd.03 | Rd.04 | Rd.05 | Rd.06 |
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15 位(26) | 11 位(18) | 10 位(15) | 22 位(15) | 16 位(26) | 18 位(25) |
0 p | 0 p | 1 p | 0 p | 0 p | 0 p |
シリーズランキング 24位 1p | |||||
()内は予選の順位です。 |
スバルBRZの顔と言っても過言ではない井口選手。GR86に比べてエントリー台数が少ない新型BRZのドライバーとして、今シーズンもその速さを見せてくれました。彼が得意とする北海道十勝スピードウェイで開催された第3戦では、予選から好調な走りを見せると決勝を2位でフィニッシュ、新型BRZにとっての初表彰台を獲得し、全国のスバルファンに喜びをもたらしてくれました。
Rd.01 | Rd.02 | Rd.03 | Rd.04 | Rd.05 | Rd.06 |
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22 位(21) | 15 位(24) | 2 位(2) | 13 位(19) | 10 位(15) | 14 位(24) |
0 p | 0 p | 15 p | 0 p | 1 p | 0 p |
シリーズランキング 13位 16p | |||||
()内は予選の順位です。 |
使用可能なパーツの幅が広がり、さらにタイヤサイズも変更になるなど、昨シーズンまでのセッティングやドライビングのノウハウがリセットされ、ゼロからのスタートとなった今シーズンのGR86/BRZ Cup。この日本一熱いワンメイクレースを戦ってきたプロドライバーたちは、周囲の予想をはるかに超えるスピードでその走りを進化させていきました。
第5戦岡山の予選ではトップから1秒差以内に27台のマシンが並び、決勝では随所で高次元のバトルが展開されました。
そんなドライバーたちの進化に呼応するように、POTENZAもその進化を加速させ、RE-08Dの投入からわずか3ヶ月という短い期間でRE-09Dをリリース。これからもドライバーと互いに共鳴し合いながら全国各地のサーキットで熱いバトルを展開して、モータースポーツファンを魅了してくれるでしょう。
2023シーズンもPOTENZAドライバーたちが見せる熱い走りに、ぜひ期待してください。
元86/BRZレーサー(実は2013年初代ポールシッター)。
2022年シーズンはスーパー耐久(#59 DAMD MOTUL ED WRX STI)に参戦。
2016-19 ST-2シリーズチャンピオン
2022年BMW&MINI Racingレースディレクター。