【自動車メディアレポート】ブリヂストンの最新乗用車用スタッドレスタイヤBLIZZAK VRX3

CARVIEWによる「ブリザック VRX3」のレポートをご紹介します

SUV向け新サイズ追加!
ブリザック史上断トツの氷上性能が自慢のVRX3は冬道を頻繁に走らなくても選ぶメリット多数だった

レポート:まるも亜希子 写真:小林俊樹、株式会社ブリヂストン

非降雪地域ではオーバースペックなのか?

ブリヂストンの最新乗用車用スタッドレスタイヤBLIZZAK VRX3

関東では赤や黄色に色づく山々が美しく映えてきた頃、北の大地では早くも、一面が銀世界に染まったニュースが届いた。すでにスタッドレスタイヤを装着して準備万端となったクルマたちが、粉雪舞う市街地を颯爽と駆け抜けていく。

こうした降雪地域、とりわけ雪深い北海道/北東北主要5都市で、一般ドライバーの装着率が50.7%*と高いのが、21年連続で装着率No.1*となっている「ブリザック」。北海道札幌市のタクシー装着率は77.2%*で、万が一が許されないプロからの信頼をも勝ち取っている、スタッドレスタイヤブランドだ。

ブリザックはブリヂストンが30年以上にわたり、研究開発を行なって積み重ねた技術と、市場からのフィードバックに応えて進化を続けてきた。その最新モデル「ブリザックVRX3」は、ブリザック史上断トツの氷上性能に加えて、ライフと効きがより長持ちするという”新次元のプレミアムブリザック”。

初代ブリザックを再現したタイヤとスケートリンクで乗り比べてみると、同じ速度からブレーキングしても圧倒的に短い距離で停止でき、その安定感も向上していたことに驚いた。従来の「ブリザックVRX2」と比較しても、氷上ブレーキ性能が20%向上というデータに納得だ。また、摩耗ライフは従来比17%向上*、”効き持ち”向上で安心感がより長く続くというのも、ブリザックVRX3の大きな特徴となっている。

こうしたブリザック史上断トツの性能はとても魅力的で、実際に愛車のSUVに装着するスタッドレスタイヤとして検討しているところだが、気になるのは、私が住む地域は降雪が年に1〜2回程度しかないということ。

ブリザック史上断トツの氷上性能を試せるチャンスは、1シーズンに2〜3回出かけるスキーや、父が田舎暮らしをする信州へ遊びに行く時くらいで、あとはひたすらドライ路面を走り続けることになってしまう。もしかして非降雪地域のユーザーには、ブリザックVRX3はオーバースペックなのだろうか?

しかし今回、ブリザックVRX3に新たにSUV向けサイズが12サイズ追加されたというので、人気が続くシティ派SUVでドライ路面の走りをチェックしてみることにした。(※詳しくはこちらを参照

発進直後から感じる軽やかな走り

ブリヂストンの最新乗用車用スタッドレスタイヤBLIZZAK VRX3

テストに訪れたのは、東京都小平市にあるブリヂストンのグローバル拠点「Bridgestone Innovation Park」。広大な敷地に、最先端の技術と感性によって生まれたビジネススペースやテストコース、ギャラリーがあり、イノベーションを通じて新たな価値を創造する拠点となっている。

敷地内にある「Bridgestone Innovation Gallery」は、一般の方も見学でき地域の学生たちの社会科見学なども行われているという。館内には、ブリヂストンが研究開発している月面探査車用タイヤのコンセプトモデルが展示してあり、あまりの迫力にしばし見惚れてしまった。ぜひ次回はゆっくり見学してみたい。

1周が1kmの周回路に加え、10種のさまざまな路面が体験できるテストコース「B-Mobility」では、まず市街地を流れに乗って走るイメージで、直線、ゆるいカーブ、ややきついS字カーブをテストした。

1台目の車両はコンパクトSUVのトヨタ「ヤリスクロス」で、発進直後からの軽やかさとリズムよく加速していく楽しさが魅力的。路面への当たりはしなやかで、直進路の安定性もシッカリあると感じる。スタッドレスタイヤはちょっとグニャッとした接地感が苦手という人も多いが、そんな感触はまったくなく、カーブ手前での減速も思い通り。ステアリングを切るとリニアに反応してくれて、ドライ路面での操作感は好印象だ。

というのもブリヂストンでは、たとえスタッドレスタイヤといえども、最高速度200km/h以上、路面タイプ50種以上がテストできるコースでの走り込みを念入りに行なっているという。もちろん、ブリザックVRX3最大の強みである「発泡ゴム」は、長年培ったノウハウによって高い吸水力を持ち、すべりの原因となる水を除水してしっかりと路面に接地し、氷上での高いグリップを発揮する特徴がある。でもそのためにドライ性能を犠牲にすることなく、乗り心地や静粛性にも配慮しているのがブリザックVRX3の凄いところだ。

次に乗り換えたミドルSUVのアウディ「Q5」では、さらに重厚な接地感が感じられ、走りはとても上質。セダンに比べて車重が重く、重心もやや高くなってしまうSUVでも、ブリザックVRX3の優れた性能が発揮できるよう厳しくテストしたというのも納得だ。

知らずに乗ったらスタッドレスタイヤだと気付かない

ブリヂストンの最新乗用車用スタッドレスタイヤBLIZZAK VRX3

続いてテストしたのは、もしもの時に最も頼りにしたいブレーキングと、レーンチェンジを想定したパイロンコース、さまざまな突起物を乗り越える凹凸路と悪路を想定した路面。まずヤリスクロスで40km/h程度から一気にブレーキングすると、ボディの姿勢変化が少なく安定してシッカリと止まることに感心した。

車重がさらに重くなるQ5ではどうかな? と思ったが、ブレーキペダルの踏み始めから手応えがちゃんとあり、思い通りの減速力を得ることができた。

ブリザックVRX3は、タイヤのIN側とOUT側のサイド形状を非対称としていて、氷上や雪上からドライ路面までふらつきを軽減し、高い直進安定性と応答性を発揮するのが特徴となっている。それはレーンチェンジを想定した動きでも実感でき、ステアリングを切って素早く車線を移動しても、ボディがグラつくような感覚がなく頼もしい。

もし、降雪地域の交差点などツルツルに磨かれてすべりやすい路面でも、フレキシブル発泡ゴムが毛細管現象によって吸水力をアップし、グリップが大幅に向上するためより安心して走れるという。

そして凹凸路では、角張った突起物から丸い突起物、平たく大きな突起物までさまざまに乗り越えてみたが、不快な振動が長引いたり、大きく揺れたりすることは皆無。ドスンという音はするにはするものの、一発で収束してくれるから乗り心地はよく、操作が不安になることもまったくなかった。悪路を想定した荒れた路面でも、思いのほかノイズが小さく抑えられ、ステアリングを取られることなく走っていける。

ブリザックVRX3では、新素材の「ロングステイブルポリマー」の採用と独自の配合技術によって、ゴムの柔らかさがずっと続くことで効き持ちをアップした。さらに、吸い込んだ水の逆流を抑制する「L字ブロック」や「端止めサイプ」を採用して、パターンも進化させている。

通常なら、柔らかいゴムや高い除水性を持つパターンでは、ドライ路面の走りは頼りないのではと思えるが、ブリザックVRX3では余計なブロックの変形をさせず、接地面をシッカリ取ることも考えられているのではないかと感じた。これはもう、知らずに乗ったらスタッドレスタイヤだと気が付かないかもしれない。

冬道に不慣れなドライバーこそ履いてほしい

ブリヂストンの最新乗用車用スタッドレスタイヤBLIZZAK VRX3

こうしてブリザックVRX3をドライ路面でテストしてみて感じたのは、降雪が少ない地域のユーザーが履いても、デメリットは少ないのだということ。むしろ、冬道の運転に慣れていないドライバーこそ、いざという時に確かな性能を発揮してくれる、信頼性の高いスタッドレスタイヤを装着しておくべきだと痛感する。

これまでは、冬のほとんどをドライ路面で走り、1〜2回の降雪のために性能の良いスタッドレスを装着しておくのはもったいない、という気持ちもあったが、ブリザックVRX3は従来品より摩耗ライフが17%も向上している。これは均等なブロック幅と同形状とした均一ブロックや、位置ごとに密度と方向を最適化したサイピングにより、トレッドの変形と接地圧が進化したことによって実現。ドライ路面を走っても減りにくいのが嬉しいところだ。

冬道性能に思いっきり特化しているとばかり思い込んでいたブリザックVRX3が、こんなにもオンロード性能に優れるというのは目からウロコの発見だった。とくに、シッカリとしたタイヤ選びをしないとフラつきやブレーキング時の前のめり感、ノイズなどが気になってしまうSUVでも、乗り心地や静粛性まで満足度が高いことにビックリ。

これなら街乗り中心のSUVでも、積極的にブリザックVRX3を選びたくなってくるはず。この冬をより安心に、より安全に、より快適に駆け抜けるために、SUVの足もとにもブリザックVRX3は間違いない選択だ。

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